今回の事例は、電源ボタンを押しても反応がなく、まったく通電しないという症状でお持ち込みいただいた Power Mac G4(MDD:Mirrored Drive Doors)の修理です。
OS9で起動する貴重な機種(2002年製)。OS9系でしか動作しないソフトウェアを使って仕事している場合、これが起動しないことは死活問題です。
オールドMac修理
お困りのお客様を全力で救うべく、さっそく修理開始です。
はじめにG4本体ハードウェアの現状確認のため Power Mac 本体からHDDのみ取り出した状態で通電するか確認しました。
電源ボタンの点滅、ファンの回転、Mac特有の起動音も確認できないという状態です。
再び本体を開け一番怪しい電源ユニットを取り外します。
取り出した電源ユニットのネジ止めされたカバーを取り外し、さらに分解します。
電源内部の基板を取り出せたので目視で確認しましたが目に見えるコンデンサの液漏れ、破裂、その他ハンダの割れ、焦げ等も見当たりませんでした。
この場合地道に基板上に実装されているパーツの数値等を計器で測定していき原因となる部分をあぶり出していきます。非常に経験と根気と技術が要求される作業です。
計器と基板交互ににらめっこしているうちに異常な数値を出す部品に行き当たりました。
まず一つ目は電源基板上に2箇所見える、大きめのヒートシンク(放熱板)に複数くっついている三端子レギュレータです。レギュレータの幾つかが異常な数値を出していました。
次に見つかったのが、黒いかなり大きめのコンデンサです。こちらも同様に容量抜けを起こしており、そのために安定した電力の供給ができず、起動・通電ができなくなったと思われます。これらの不良箇所を新品のパーツにそれぞれ交換していきます。
電源基板の修復が完了したので、元どおり組み立て、動作を確認します。ここでもHDD保護のため、バックアップ用であっても取り外しておきます。
電源ボタンを押したところ聞き慣れた『ジャーン(人によってはバァーン)』という賑やかな起動音とともに起動しました。
OSデータの入ったHDDを取り付けて再び起動確認。これも問題なく、OS動作も確認できました。
数時間の負荷テストでも電源が落ちるなどの問題ももなく、これにて修理作業の完了です。
今回のように、Power Mac G4 などの古いMacのOS9でしか動作しないソフトウェアは、まだまだ利用されている方が沢山いらっしゃいます。新型への買い替えは難しいなど、どうしてもこのMacでなければ!というお客様が多数いらっしゃいます。
今回のお客様も印刷業務でPower Mac G4が必要なため、修理できて、とても喜んでいらっしゃいました。
古いMacの故障でお困りの方は、ぜひお気軽にパソコンドック24薩摩川内店にご相談ください!
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