こんにちは。パソコンドック24 新宿店 です。
今回は東京都新宿区より一体型デスクトップPCが起動しなくなったということでお持ち込みされました。
ネットで販売されている格安のデスクトップPCのようです。
結論から言ってしまうと、今回は修理をせずに診断のみでの返却になりました。修理屋としては修理せずにお返しすることは極力避けたいところではありますが、今回は特別な事情が…。
症状としては電源は入るもののWindowsが起動しません。
黒画面に英語表記が出ています。ブートデバイスが見つからないようです。
ブートデバイスとはOSがインストールされたHDDやSSDの事です。
今回の場合はSSDが搭載されているようなのでSSD故障が予想されます。
この様な症状の場合、データの保全は厳しいかもしれませんが、SSDを交換してWindowsをインストールし直すとまた使えるようになります。
今回のパソコンをよく見ていこうと思います。
背面の写真となりますが、何のシールも貼っていません。
メーカーが判りません!!消費電力や電圧の表示もありません。
もちろんシリアルナンバーなんかもありません。お客様が剥がした訳ではなく、最初から貼っていないようです。
裏蓋を開けてみましょう。
一見特に気になる事は無さそうですが、よく見ていくと色々と気になるものが出てきました。
真っ先に気付くのが、壊れているであろうSSDです。
mSATAという規格のSSDが搭載されています。
このSSDが採用されていたのは10年近く前です。パソコンを購入したのは1年ちょっと前と聞いていたのですが。
CPUを見てみましょう。
なんと第2世代のCore-i5が搭載されていました!
第2世代CPUって?詳しくない方は分からないかもしれませんが、インテル製のCore-iシリーズは1年に1回程度のペースで新世代CPUが発売されてきました。
2024年現在、第14世代のCPUが販売されています。
第2世代CPUの販売開始は何と2011年!販売してから2~3年は現役としてPCに搭載されて販売されるのでしょうが、それでも10年以上前のCPUです。当然マザーボードもそのCPUに合ったマザーボードですので10年以上前のものです。
新品のパソコンとして販売されていたようですが、内蔵パーツは中古パーツを再利用して組立されているようです。新しいものは液晶パネル、電源、周りの筐体くらいでしょうか。
こんなパソコンが販売されているとは驚きです。
診断の結果としてはSSDの故障だけでした。
SSDを交換すれば使えるようになりそうです。
ただし、CPUが古いのでWindows10までしかインストールできません。
Windows11がインストールできるのは第8世代以降となっています。
これはインテルとPCメーカーが共に発表している事です。
Windows10のサポートは2025年10月までとされています。
直してもあと1年ちょっとしか使えません。
お客様に説明したところ、Windows11で使っていたと驚きの事実が判明しました。え?本当に?
お客様はAmazonで購入されたとの事…。
気になります!!調べてみました。
ありました!
なんとWindows11搭載のPCとして販売されています。
分かりづらいですがメーカー名が記載されていました。
記載されている仕様をみましたが嘘偽りは全くありません。(新品とも書いてありませんし)
Windows11でOfficeも入っていて4万円代、安いと思います。その他の仕様を考えなければですが…。
第7世代以前のCPUが搭載されたPCに通常はWindows11をインストールすることは出来ません。裏技的な手法でインストールできるようですが、当店ではインストールすることは推奨していません。
なにせ、インテル、マイクロソフト、PCメーカーどこも推奨していませんからね。
スペックが低い事と、システム不具合が起きやすくなることが予想されるからです。
こんな理由で今回の修理は見送ることになりましたが、パソコンが壊れて修理しようか買い替えをしようか迷っている方、修理費用が高くなったら新しいPC購入の相談にも乗れます。
ぜひ当店にご相談ください。
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