暑い夏も終わり、すっかり気温も冷え込んできました。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、今回は使用中に勝手に電源が切れてしまうパソコンの修理を行いました。
SONY VPCJ118FJです。
シンプルなデザインで必要機能をすべて盛り込んだVAIOらしい1台ですね。
お客様曰く、ワープロソフトなど使ってるときは問題無いが、動画などを見始めると必ず落ちてしまうとの事でした。
早速原因追求から行っていきます。
使用中に電源が落ちる症状が起きてしまう原因の多くは「熱」です。
動作中の温度を計測してみましょう。
写真中央部CPU Temp(CPU温度)が約80度になっています。
通常の温度は60度前後で推移するのですが、異常に温度が高いです。
CPU温度が100度を超えると、保護回路が働き自動的に電源を落とすようになっています。
本体内の放熱不足とみて間違いないでしょう。
クリーニング・熱暴走対策
という事で早速分解をしていきます。
まず裏カバーを外し冷却ファンを外してみると、やはりほこりがびっしりついてしまっています。
放熱版にほこりが詰まり、外に風が抜けなくなってしまっています。
これではいくらファンがフル回転で回っても熱はこもる一方です。
ファンの羽にもほこりがこびりついています。
また、CPU側も放熱版とCPUを密着させる伝導グリスも石のように固まってしまっています。
原因はこことみて間違えないでしょう。
早速クリーニング開始です。
まずは放熱板についたほこりをエアブローで徹底的に落とします。
向こう側が見えるようになりました。
続いて凝り固まった熱伝導グリスを削り落とします。
CPU本体側もきれいに落とします。
ファンについたほこりもきれいに落とします。
そして再度フレッシュな熱伝導グリスをしっかり塗りこみます。
そして組み上げて、外したカバーを元に戻し完成です。
電源を入れ、改めて温度を見てみましょう。
同じテストでも70度以上上昇することはありませんでした。
その後1日かけて様々な負荷テストをかけ、安定動作を無事に確認できましたので完成です。
最近のパソコンは省スペースに作られているため、空気の抜ける部分が少なくなっています。
主要な放熱部分が塞がってしまうと熱暴走を起こしやすくなってしまいますので、1~2年に一度分解清掃をされることをお勧めします。
使用中勝手に電源が落ちる、冷却ファンの音がうるさいなと感じられましたら是非当店へご相談ください。
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