こんにちは。パソコンドック24 新宿店 です。
今回は東京都世田谷区よりWAJUN Pro-X1というデスクトップミニパソコンをお持ち込みいただきました。
ちょっと聞いた事の無いブランドですね。
ワジュンPCというAmazonなどで中古PCを販売しているショップのようです。
オリジナルブランドの新品PCも販売しているようで、その1つがこのWAJUN Pro-X1です。
かなり小さいですね。お値段も手頃なようです。(興味のある方は検索してみてください)
不具合内容は「OSが起動しない」です。
ウィンドウズマークとくるくるマークの表示がいつまでも続きます。
スタートアップの動作に失敗しているようですね。
依頼内容としては、インストールされているアプリケーションを使いたい、という内容。
ネットで購入したアプリで、メールでダウンロードサイトが送られてきたそうです。
もう一度インストールできるかもしれないが、そのメールもこのパソコンの中にあるとの事。
もう一度インストールできる保証もないので、まずはシステムを残す形で何とかなるか試してみることになりました。
OS修復にチャレンジです。
まずは内蔵ストレージ(HDDやSSD)が怪しいのでチェックしてみましょう。
分解すると中身はこんな感じです。SSDが搭載されていました。
おっと、SSDを交換した後の写真しか残っていませんでした。実際に搭載されていたのはこちらです。
インテル社製のSSDのようです。180GBというあまりなじみのない容量です。
変換アタッチメントを使って他のPCにつなげてみます。
正常に認識されましたね。ユーザーデータは無事のようですが、今回はシステムが起動できるようにならないと意味がありません。
SSDの中身を詳細に見ていきましょう。
180GBがある容量で区切られ、セクターと呼ばれる単位ごとの箱にデータが格納されます。
図のイメージはセクターごとに読み込みチェックをかけ、その結果を表示したものです。
緑色の1マスが1セクターではありませんが、数セクター分をまとめて表示しています。
読み込みに時間がかかったり、読み込めなかったときに色が変わります。
2マスだけ赤いマスがあるのがわかるでしょうか。読み込めなかったセクターがあるようです。
起動できなかったのはこの赤い斑点が原因でしょう。
割合としたら1%にもなりませんが、OSの起動に必要なデータが書かれていたら一発でアウトとなってしまいます。写真などのユーザーデータに当たる部分が赤くなっているのであれば、そのファイルが開けなくなるだけで済んだのでしょうが、OSの大事な部分に当たると起動できないという重大な結果になってしまいます。
運が悪かったのでしょうか。でも、こんなものです。きっとファイルの1個や2個が開けなくなってもパソコンが壊れかけていると思う人は少ないと思います。
起動できなくなって、初めて重大な事態であることに気づくのではないでしょうか。
では、この状態からどうやって復旧させましょうか。
まずは正常なSSDに複製保全したデータを作成します。180GBではなくもっと大きな容量にしておきます。
とはいえ言っても読み込めないセクターがあるので99.xx%の保全になります。
複製したSSDを搭載させ、電源を入れて起動を試みます。


左の画面から・・・なんと一発で起動しました。
Windows OSは自己修復機能があるので全く読めないセクターが少なければ自己修復してくれる可能性があるのです。
とは言え、壊れたシステムデータが完全に修復されたかどうかまでは確認のしようがありません。とりあえず起動したという状態です。今後使っているうちにシステムの不具合が出ない保証はありません。
ゆえに、OSの再インストールに勝る改善方法はないのですが、どうしてもシステム環境を残したい!という場合もあるでしょう。再発のリスクを承知で今回のような復旧方法をとることもできます。
修復が成功するか否かは運次第でもあります。(修復で改善できる割合は1割にも満たないと思います。)
今回のケースでは、シャットダウン、再起動を何度も繰り返して起動できることを確認して納品させていただきました。
どうしてもOS環境を残したいというお客様はぜひお持ち込みください。
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