こんにちは。パソコンドック24 新宿店 です。
今回はMacBook Pro 13インチ 2017年モデルA1706をお預かりしました。
「キーボードからお酒をかけてしまった。」との事。電源は入るものの画面が真っ暗なままです。
水没案件では様々なシチュエーションがあります。
「向かいに座った人がペットボトルを倒してしまい、パソコン後ろ側から液体が入り込んでしまった。」
「コーヒーをキーボードからかけてしまった。」
「大雨の日にカバンの中で水没させてしまった。」
「カバンの中に入れていたペットボトルの蓋が開いてしまい水没させてしまった。」
「鍋のスープがかかってしまった。」
「お風呂に落とした。」
驚くような内容も結構あります。Macは生活に密着していることが伺えますね。
修理に着手しましょう。
電源は入るようです。タッチバーのLEDが点灯しています。
画面は真っ暗のように見えますが、目を凝らしてみるとうっすらと表示されているようです。


写真ではわかりませんよね。これはバックライト切れの症状です。
液晶パネル側の問題かロジックボード側の問題のどちらかが考えられます。
場合によっては両方壊れているかもしれません。
両方壊れていたら買い替えを検討するような金額になる事は間違いないでしょう。
パソコンを開封してみるとそこそこの水没具合。ところどころ緑青と呼ばれるサビが出ています。
写真は実物と異なりますが、開封するとこんな感じです。
基板の洗浄を行い、電源を入れてみましたが症状は変わりません。
キーボードもお酒の影響でベタ付き感があります。左「Shift」キーが効かないことも判明しました。
画面表示は別の液晶パネルを取り付けても症状が変わりません。ロジックボード故障確定です。
元の液晶パネルを別の正常なPCに取り付けるとバックライトが点きます。問題ないようです。
ところが、後から恐ろしい事が判明します。(自分の確認不足なんですけどね。。この写真でも見えています。)
ロジックボードのICは特殊な設備が無いと交換が難しいので外部委託にて直すことにしました。
お客様にロジックボード修理とキーボードトップケースの交換見積をお伝えし、了承をいただきました。
さて、ロジックボードが直って帰ってきましたので組み上げて確認していきます。
ロジックボード修理の過程でキーボードの「左Shift」キーが効かない問題はロジックボード側の問題であり、その部分も改善して戻ってきました。
喜んだのも束の間、液晶パネルを取り付けてみると。なんとお酒が液晶パネル側にまで入り込んでしまっています。白い画面をいっぱいに広げてみると結構目立ちます。バックライトが切れていると判りませんし、液体が侵入した事を想定していなかった事でせっかく表示させたのに見逃してしまいました。
このまま使うには問題ありすぎです。人前では使いにくい状態です。
液晶パネルアセンブリ(上半身部分)の交換が必要です。が、しかしお客様にお伝えした見積はキーボードトップケース交換まで。液晶パネルアセンブリ交換を含めたら、当然修理しなかった事でしょう。
他にも問題発生です。タッチバーの機能は正常に働いていたはずですが、急にタッチ機能が効かなくなってしまいました。LEDは点いているのですが。。
再分解してみるとタッチバーのコネクタ部分が水没の影響で劣化しており、断線してしまっています。
劣化していたものが、分解・組み立ての過程で破損してしまったものと思われます。
こちらは、工数はかかるもののタッチバーのパーツ代としてはそれほど高額ではありません。
何とか修理金額を上げずに対応したいものです。お客様と相談し、以下のような対応でご了承いただきました。
・液晶パネルアセンブリは中古再生品に交換させて頂く。(傷が多少あります。)
・キーボードトップケースは「Shift」キーが効くようになったことから交換せず、可能な限りの洗浄でベタ付きを取り除く。
・タッチバーは交換する。
・修理金額はお伝えしていた見積金額通りにする。
無事修理完了しました。
お客様こだわりのUSキーボードもすべてのキーが入力出来、べたつき感も気になりません。
あんなこんなで何とか仕上がりましたが、水没PCの恐ろしさをまざまざと感じた案件でした。
水没PCは何が起こるか判りません。また、時間が経ってから不具合が出ることもあります。
皆様くれぐれも水没なされないようご注意ください。
それでも水没してしまったら、新宿店までご相談ください。
MacBook Pro 水こぼし・水没(修理に関する参考費用はこちら)
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