こんにちは。パソコンドック24 大宮店 です。
今回は dynabook AZ65KG のファンエラーでお困りのお客様からご依頼をいただきました。
ファンエラーの確認
OS起動時に突然写真のようなエラーメッセージが表示されるようになったそうです。
また、「最近パソコンの動作も遅くなってきた」ともご相談いただきましたので併せて診断していきましょう。
早速パソコンを分解してCPUファンを確認しました。
特に軸ブレなども発生していませんでしたが、動作テストではファンの回転が動作したり停止したりと不安定でした。
おそらく経年劣化によりCPUファンの基板に不具合が発生し、動作が不安定になりOS上でエラーメッセージが表示されるようになったのだと思われます。
ファンエラーはCPUファンを交換することで無事改善されました。
ストレージ構成を確認
また、パソコンを分解した際に気が付きましたが、このパソコンはOptane(オプテイン)メモリーを搭載している機種でした。
OS上でもOptaneメモリーの設定が有効化されていましたが、お伺いしていた通りパソコンの動作が重くなっていました。
Optaneメモリーについて
Optane(オプテイン)メモリーとは、パソコンの起動やアプリケーションの起動を高速化するために、HDD (ハードディスクドライブ) や SSD (ソリッドステートドライブ) のキャッシュとして機能する技術です。
これにより、Windowsの起動や、よく使うアプリケーションの起動が高速化され、システム全体の応答性が向上します。
結論から申し上げますと、Optaneメモリーは非常に不具合の多いストレージ構成でした……
従来のパソコンのストレージはHDDもしくはSSD、1つのストレージにWindowsOSをインストールして利用しますが、
Optaneメモリーを搭載したパソコンは2つのストレージを並列で運用することでパソコンの高速化を図ります。
つまり2つの内どちらかのストレージに不具合が発生したり、システム上で整合性が取れないような不具合が発生した場合、Windowsが正常に起動しなくなるのです。
当店でもパソコンのOSが正常に起動しなくなったお客様からのご依頼でOptaneメモリーが搭載されたパソコンを何台も修理いたしました……
現在Optaneメモリー製品は生産終了となり、第12世代以降の新しいインテルプロセッサーでのサポートは終了しています。
今回、Optaneメモリーと内蔵HDDのステータスは正常でしたが、HDDの経年劣化によりデータ転送速度が著しく低下していました。
これではOptaneメモリーを搭載していてもユーザー目線では動作が遅くなったように感じても仕方がありません。
Optaneメモリーを実装したままでもメリットが薄いためお客様とご相談の元、これを機にストレージをSSDのみに換装し、データの引っ越しを行わせていただきました。
こちらがSSD換装後のタスクマネージャーのスクリーンショットです。
換装前のスクリーンショットを保存し忘れてしまったため比較しにくいですが快適に動作してくれています。
本体側のヒンジ破損を発見!
また、今回のご依頼内容とは別に本体フレームのヒンジ金具を固定するネジ受けが割れてしまっていました。
この機種は15.6インチの大型液晶パネルを搭載し、本体フレームは樹脂製のため経年劣化により破損してしまったのでしょう。
このままでは液晶開閉時にかかる張力により破損が悪化してしまいます。
こちらのヒンジ破損もお客様とご相談の元、修理することになりました。
当店でヒンジ修理を行う場合、フレームに穴を開けてボルトを通しフレームとヒンジ金具を固定する方法をご提案しています。
この機種の構造上、フレーム内に固定用のボルトとナットが収まらないため、バックパネルの溝にナットを樹脂で固定し、
本体フレーム側からボルトを通してフレーム・ヒンジ金具・バックパネルを一緒に固定します。
動作確認
仕上がりは写真の通り、ボルトの頭は液晶パネルに干渉せず、開閉動作も問題ありません。
ヒンジ金具の張力も調整させていただいたため、よりフレームにかかる負荷も軽減出来たと思います。
動作確認も問題なく、パソコンのクリーニングを行い無事ご納品いたしました。
詳細診断について
当初はファンエラーのご相談でしたが、当店でパソコンの詳細診断を行うことでSSD換装&データ引っ越しと本体側のヒンジ修理も承ることとなりました。
当店ではご相談いただいた修理以外にも、診断の段階で発覚したパーツの劣化や不具合も併せた修理のご提案をしています。
お客様のご予算や修理期間に合わせた修理内容の調整も承っています。
パソコンの不具合でお困りの際は是非当店へご相談ください。
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