こんにちは。パソコンドック24 名古屋・庄内緑地公園店です。
名古屋市北区からお越しのお客様より、「“Checking media”のあと“起動可能なデバイスがありません”と表示され、起動しない」とご相談いただきました。
OSの起動領域を見つけられず、Windowsにアクセスできない状態です。
富士通 LIFEBOOK FMVAXD3BG AH-X/D3 「起動可能なデバイスがありません」
第9世代Core i7搭載のノートパソコンです。
電源を入れるとWindowsは起動せず、「Checking media」と表示されます。
これはOSが入ったデバイスを探している状態です。
その後「警告 起動可能なデバイスが見つかりませんでした。」と表示され、【継続】を選択しても同じ画面に戻ってきてしまいます。
BIOSで確認すると内部SSDを認識していましたが、内部のWindowsが見えなくなっているようです。
データはなくなっても仕方がないとのことでしたので、修理を優先で診させていただくことになりました。
分解:SSD
裏面の蓋を外します。
ロックを解除してバッテリーを取り、右下のSSDを取り外します。
仮組みしてメモリーのチェックテストをしましたが、エラーの検出はありません。
しかしファンの回転数が多く、CPU温度も92度前後と高い状態でした。
SSDステータス:正常・未割り当て状態
搭載されていたのはOptaneメモリー32GBと1TB強のSSDが一体になったモデルでした。
Optaneメモリーは、容量の小さいSSDを経由してデータの読み書きをすることで高速化するシステムです。
使用時間は短く、スピードテストなども異常ありません。
しかしディスクの管理で確認すると「未割り当て」となっており、内部データも診られない状態です。
恐らくOptaneメモリー領域が故障したか、なんらかの理由でキャッシュ構成が破損したものと思われます。
データ復旧作業を行うことで初期化に必要なデータを取り出すことはできました。
こうなるとWindowsを入れ直す初期化が前提となりますが、またOptane構成を使うと同じことが起きる可能性があります。
Optane領域の故障の可能性もありますので、SSD単体に交換して修理することになりました。
内部清掃・CPUグリス塗り直し
CPUの温度対策として内部を清掃し、固まったCPUグリスを取り除いて塗り直しました。
CPU部にグリスがあまり残っておらず、これでは温度が高くなって当然です。
対策後は10度前後の低下を確認できました。
SSD交換・ヒートシンク取り付け
金額を抑えるために1TBではなく512GBのSSDを採用し、故障防止策として薄いヒートシンクを取り付けました。
Windows11クリーンインストール
Windowsを入れ直す前に、BIOSでOptaneメモリー仕様の設定を解除します。
設定変更後、先程組み込んだSSDへWindows11をクリーンインストールし、メーカーサイトや内部から取り出したソフトウェアで調整します。
その後リカバリーフォルダーを移して「初期状態に戻す」を行うことで、プリインストールソフトウェアも戻せました。
元はWindows10のパソコンですので、11に対応したバージョンへBIOSアップデートも行います。
外部清掃・返却
Optaneメモリーを搭載しない単体SSDに変えたことで、キャッシュ構成破損による不具合は発生しなくなりました。
HDD搭載機であればキャッシュによる高速化も効果を感じられるものの、NVMe SSDであればそこまで大差ありません。
現在ではもう使用されなくなったシステムですが、SSHDといいキャッシュ構成での高速化は不具合発生率が高いのでSSD単体への切り替えがおすすめです。
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