東芝 dynabook T65シリーズのノートパソコンで、液晶画面取り付け部分(ヒンジ)が壊れた修理を承りました。
最近のノートPCは全体的に薄く・軽くなりつつあるのと同時に本体の物理的な耐久性も低くなりがちです。
前回の修理事例と同様に、液晶側(上半身)のヒンジ部分のネジ受けの台座が中で砕け、開閉するたびにプラがパカパカとなるような状態です。
中のネジ受けの台座が一箇所でも壊れてしまうとノートPCを開閉するときの負担がまばらになってしまい、次第に他のネジ受け部分にも影響を及ぼし症状を悪化させてしまいます。
ノートPC液晶側を分解したところです。今回は中のネジ受けの台座が左右ともに砕けほとんど上半身部分が固定されていない状態でした。
ノートPC本体側(下半身)であれば、ある程度の厚さのため、中でボルトとナットで固定ができます。しかし、今回は薄型の、しかも液晶側のヒンジ割れということで、それはできません。
そこで、強力に硬化する液状パテを使用しネジ受けを割れた台座の部分を補修し正しい位置に固定し直していきます。
接着剤と違いパテなので『盛る』ことによって割れてなくなったネジ受け部分を再生できるので汎用性が高いです。使いこなすにはそれ相応の技術が必要です。
左右ともにネジ受け台座が割れてしまっています。パテで整形します。
この際に、ネジ位置がずれると組立時に液晶側と本体側のズレで正常に開閉できなくなってしまうため、正確な位置決めが要求されます。
このあとパテの硬化が確認できしだい、液晶部分を組み立てていきます。固定ネジをしめていく瞬間が一番緊張します……
組み付けが完了しました。開閉もスムーズにでき問題なさそうです。
この特殊パテは一度硬化するとちょっとやそっとの衝撃では割れたり剥がれたりしないのが強みなのでまさにヒンジ修理にもってこいです。
数十回開閉テストを行い、パテの剥がれや開閉に違和感がないことを確認した後納品させていただきました。
納品して1ヶ月ほど経過しましたが、ヒンジに問題はないとのことでした。
冒頭でもお話したとおり軽量化・薄型化が進む最近のモデルのノートPCは比較的ヒンジ部分が割れやすい傾向にあります。
ヒンジが割れノートPCの開閉に異常があればお気軽にご相談下さい。
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