Surface(サーフェス)修理
こんにちは。パソコンドック24 新宿店 です。
今回は「Surface Pro 4(サーフェスプロ4)」を預かりました。
電源は入るがOSが正常起動しない症状です。
お客様のご要望は「OSが起動できるようにしてほしい。だめならデータの取出しをしてほしい。」です。
結論から言うと、今回のケースではOSの復旧は出来ませんでした。
では、データの取出しへ作戦変更。と思いきやSSDには暗号化(BitLocker)がかかっているため他のパソコンにつなげても見えません。
お客様に BitLocker を解除するための回復キー(48桁)を確認したところ「え?暗号化?パスワード? 出向先(海外)のエンジニアにいろいろな設定をしてもらったのですが、聞いてないなー。」と。
あと数日間で海外に戻られるとの事。もう何もできません。とあきらめかけましたが、お客様の仰っていた言葉を思い出しました。
「起動しなくなったのですが、久しぶりに電源いれたら数分間起動したんです。でも数分間で電源落ちてしまいましたので、データ取れませんでした。」
それ以降は全く起動しないとの事。
で、考えました。久しぶりだと起動したのはなぜ? 何が変わるの?
・・・・・。 放電!?
とりあえずやってみよう!ということで再トライ。
ちょっと戻って、最初の分解から。
何はともあれ分解をしないと始まりません。両面テープでがっちり固定されている液晶パネルを剥がして行くのです。
そこで秘密兵器の登場!
恒温槽(こうおんそう)です。パソコンまるごと温められます。
新宿店ではこの装置で温めてから液晶パネルを剥がすことで、液晶パネルを割ってしまうリスクを低減できました。
それでも剥がすのは大変なことに変わりありませんが。
恒温槽を使った甲斐があり、無事画面を割らずに剥がせました。
やはりSurface Pro 4だけは歴代のSurfaceよりも画面が薄く、分解が難しいです。
結局、SSDを取り出しても何も出来なかったので、思いついた「放電作戦」へ。
バッテリーが付いていますので、まずはバッテリーを外さないといけません。
これまた一苦労です。マザーボードの下にコネクタがあります。全部外すとなるとえらい大変なので基板を浮かせる事でバッテリーとマザーボードをセパレート。
更に基板上に残っているであろう電気(電荷)を放電。コネクタ付近のコンデンサを放電しました。
バッテリーをつなげて液晶パネルのケーブルを取り付けます。液晶パネルはとりあえず適当なテープで仮固定。
さあ、電源を入れましょう! どきどき・・。
おー!起動した。(本当に起動後数分で落ちましたが。)
起動している間にデータコピーするしかありません。
ここからは力技(ちからわざ)です。数分しか持たないので、ちょっとずつコピーをしていきます。
起動 → 外付けHDD接続 → データコピー ・・・
→ 電源落ち確認 → 分解 → 放電 → 組立 → 起動
これを繰り返していきます。大変な作業です。正直もうやりたくないです。。。
繰り返し行っているうちにOSが起動している時間は温度にも依存しているような気がしてきました。
温度が上がると電源が落ちるまでの時間が短いような気がします。液晶パネルをそっと持ち上げて内部を冷却しながら行います。
かなり時間がかかりましたが、お客様が必要とするデータはすべてコピーできました。メールなどの大きなデータが無くて良かったです。無事、お客様が出国する前に納品できました。
かなりレアなケースですが、あきらめずにやりますのでご依頼ください!ということでご来店お待ちしております。機種は問いません!
Surface(サーフェス)修理
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