今回は遠く、いなべ市からご来店いただいたお客様からのご依頼です。
ヒンジ部分が壊れて液晶パネルが開閉できなくなったので、
開いたままお使いだったそうですが、ブログの記事を見てご来店されたそうです。
早速分解していきますが、片方のヒンジが完全に壊れていますので横にして分解し、もう片方のヒンジに負荷がかからないようにします。
このパソコン、ヒンジの固定方法がちょっと変わっていて、アンダーパネルではなくトップパネルに固定するようになっています。
丸印の3か所にネジ止めされていましたが、土台のプラスチックごと割れています。
本来の姿はこうです。スチールパネルと一体化させて強度を稼ごうとしたのでしょうが、スチールパネルもねじ切れています。
まず、プラスチックの土台に埋め込まれていたナットをスチールパネルに接着します。これは後でドリルで穴を開ける際のガイドにするためです。ナットとしてはもう使いません。
割れたプラスチックの土台の代わりに樹脂で土台を作り直し、そこに先ほどナットを接着したスチールパネルを固定します。
樹脂が固まったら3か所にドリルで穴を開けます。この穴の位置がずれるとアンダーパネルとの固定ができなくなるので慎重に行います。
表からみるとこんな感じで穴が開きました。ただ表面が平らではなく曲線になっているのでこのままではネジがうまく締まりません。
そこで、違うドリルで穴の回りをネジがピッタリはまるようにすり鉢状に削ります。
次はアンダーパネル側です。こちらも土台になるプラスチックが割れてバラバラになっており、新たな土台を形成する必要があります。
いろいろ考え今回はネジ穴付きの金属スペーサーを利用し、上と下から違うネジで締め付ける方法を採用しました。
とりあえず、アンダーパネルに樹脂で金属スペーサーを固定します。
このままでは高さが合わず、組み立てた時に隙間ができるのでピッタリになるように上部を削ります。
うまく削れたようです。
まずは2か所をネジ止めし、トップパネルと液晶パネルを固定します。
←の穴に上と下からネジ止めして完全に固定します。サンドウィッチ構造にすることによって、プラスチックの筐体に依存せずに強度を稼げます。
どうやらうまくいったようです。液晶画面の開閉でネジ頭が当たることもないようです。強度も問題ないようです。
ヒンジ修理をしていていつも思うことですが、ヒンジが壊れる機種というのは、設計の際にいろいろなパーツを配置して最後の余ったスペースにヒンジを取り付けている様子が見受けられます。
お客様にも『決してお客様の取り扱いが悪いわけではないですよ。』とお伝えしています。
お客様には、思っていたより頑丈に出来たのと見た目もすっきりしているということで大変お喜びいただきました。
ヒンジ修理は【完全オーダーメイド】になるので、時間も手間も費用もかかりますが、ご相談は無料!お困りの方は是非一度お問い合わせください。
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