こんにちは。パソコンドック24 新大阪店 です。
今回はUSBメモリ修復についてです。
USBメモリはリムーバブルタイプの記録媒体の中で最も普及しており、普及数に比例して復旧依頼件数も多くなっています。
障害原因は大別して[機械故障系][データ障害系][物損系]があります。
簡単にご紹介すると、
[機械故障系]
USBメモリ内部の電子回路が故障したケースで、データを保存しているメモリチップそのもが故障した場合はデータを取り出す事ができません。
[データ障害系]
誤って消去/フォーマットしてしまった・データ書き込み中にメモリを抜いた等の取扱い不注意・コネクタの接点不良等でのデータ破損などで、多くの場合データは復旧可能です。
[物損系]
誤って折ってしまった・落とした等の破損です、この場合、[機械故障系]よりは復旧可能性は高いものの、折れたり割れたりしているので全く復旧できない事もよくあります。
USBメモリの障害としては上のようなものがありますが、今回のような通電しない(厳密には内部回路の測定が必要ですが)ケースの場合、原因は[機械故障系]か[物損系]のどちらかです。
この16GB-USBメモリはUSBポートに差しても、基板上のアクセスLEDが点灯せず、PC側でもUSB機器として認識されませんでしたので直接回路をチェックする必要があります。
昨今のUSBメモリは殆どがケース部分を接着しているので、まずケースを割る必要があります。
ケースを割って基板を取り出します。
まずは、基板/回路に破損個所がないか目視チェックします。
一見、折損箇所もなく、回路上のチップ類に損傷もみられませんが、必ず回路上に問題箇所があるはずなので回路を追跡します。
このような症状の場合は電力の供給元からスタートして、順々に離れた部分にチェックを進めてゆきます。
電力供給すると回路上の各チップには電圧がかかっていたので、原因は実装されているチップ類のどれかの障害です。
対象を実装チップに絞ってひとつずつ計測してゆくと、コネクタと反対側にあるチップに異常値が出ていました。
障害発生したチップ
このチップを交換して動作確認します。
他にも障害箇所があり、そこが直接原因だった場合は再び同様の障害が発生しますが、幸いな事にこのUSBメモリは他の損傷はないようで正常に認識できました。
データも無事の模様です。
早速データを別の記録媒体に回収します。
USBメモリはよく障害発生しており、原因が機械的障害であればデータを救える確率はかなり低くなりますので、大切なデータはUSBメモリだけに保存せず、パソコン内など他にも分散して保管して下さい。
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