こんにちは。パソコンドック24 新大阪店 です。
今回は昨今、利用者が急増している車載ドライブレコーダーのデータ復旧をご紹介します。
最近のドライブレコーダーは録画データをSDメモリや、microSDメモリに録画するものが多いのですが、元々SDメモリ、microSDメモリは自然故障の発生も多く、突然メモリを認識しなくなる/一部データが消失するケース
一般的なドライブレコーダーの場合、メモリの保存量が不足すると以前の録画データを順次消去し、新しく録画していきますので、必要な録画データが自動消去されてしまったケース
取出し可能なSDメモリや、microSDメモリの為、パソコンに接続している間の様々な障害や、取扱い時の破損(静電気による破損など)のケース
といった事でのご依頼があります。
今回はその中から2例ご紹介します。
[ケースA]
交通事故後、ドライブレコーダーから録画メモリを外さず運用を続けた事で、必要な録画データが上書き消去されてしまったケース
このようなケースでは、データが別のデータで書きつぶされてしまっている可能性が高いため、録画データの復旧可能性はかなり低くなります。
それでも、新たに録画されたデータが小さければ生き残っている事もありますので、まずはメモリのスキャンを行います。
スキャンの結果、削除データ、破損データ(部分的に上書きされているもの)が、50個程度みつかりました。
データ数は多くても、実態は1つのデータがバラバラになっていて、それぞれの断片からデータ復元されたりする為、同じデータが断片の数だけ復元されている事が多く、実態はもっと少数のはずです。
*参考例
復旧した録画データをチェックしなければ、必要なものかどうかわかりませんので、まずは録画データを再生します。
ところが、ここで問題が発生しました。
このケースのドライブレコーダは録画データを暗号化する仕様だったようで、復旧した動画はもちろん、削除されてないデータも再生できません。
*参考例
ドライブレコーダ添付の動画再生ソフトでは動画再生されますが、肝心の復旧したファイルはこのソフトでも再生できませんでした。
これは、部分的に破損していた為、暗号化されたデータを復号する事ができなかった事が原因の様です。
ドライブレコーダーだけでなく、パソコンのデータでも暗号化されたデータは復旧する事はできませんので、このケースでは残念ながら打つ手はありませんでした。
データの重ね書きだけでも復旧率がかなり低くなるのに加え、暗号化データではどうしようもありませんので、SDメモリ、microSDメモリ等の着脱
可能メモリに録画するドライブレコーダをお使いの場合、残したいデータができたらすぐメモリを取り外して安全に保管して下さい。
[ケースB]
録画データを誤操作で消去してしまったケース
パソコンでドライブレコーダーの録画データをチェックしていた際に必要データを間違えて消去してしまったmicroSDのデータ復旧ご依頼
このケースの場合、削除した後で何らかのデータ書き込みがあったたかどうかと、[ケースA]のような暗号化があったかどうかが、復旧成否の分岐点となります。
実際に問題のメモリをチェックしてみると、残っているデータは暗号化されていなかったので、普通に消去/破損データのサルベージを進めます。
結果、100個程度のデータが検出され、その中に目的の日時のデータ(復旧したファイルのタイムスタンプはサルベージした日時になる事が多いのですが、ドライブレコーダの録画画像には日時が表示されているので、これで判別できます)がありました。
今回のケースでは、目的の録画データを復旧できましたが、デジタルフォレンジック(法的証拠保全)の観点から見ると、データ復旧した録画データが裁判等で証拠採用されるかどうか、法的に有効と判断されるかどうかはわかりませんので、最善はデータを逸失しない事です。
もちろんすべてのデータがそうなのですが、殊に法的な事象に関与するデータは細心の注意をもって扱う必要があります。
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