修理事例

異音がするハードディスク(HDD)からデータを復旧

修理事例をご覧いただき、ありがとうございます。
パソコンドック24 仙台駅東口店の相沢です。

今回は、カッコンカッコン(カッチンカッチン)と異音が鳴っているハードディスク(以下、HDD)から、データ復旧する事例をご紹介します。

このカッコンカッコンと言う嫌な音、変な音、聞いたことがあるという方も多いと思います。
この音がすると、HDDがパソコンから認識できなくなり、コンピュータが起動できなくなったり、データが読み出せなくなったりすることが多いです。
なぜこんな音がするのか、中身を確認しながらご説明します。

 

HDDの中はこんな感じです。

機械がゴチャゴチャと入っていますが、簡単に仕組みをご説明すると、奥にある円盤(通称:プラッタ)が回転しているところに、手前側の針のような部分(通称:ヘッド)が動いて行き、データを読み書きしています。

見かけだけなら仕組みは昔のレコードに似ています。レコードとの違いは、針(ヘッド)が円盤(プラッタ)と接触しない状態で磁気を読み取っていることです。
ヘッド(針の部分)はプラッタ(円盤)が回転して発生させる風に乗って、ほんのわずかに浮き上がります。どのくらいか具体的に言うと、10ナノメートル未満、最近のHDDでは2ナノメートル未満と言われています。ナノメートル、と突然言われてもわかりにくいと思いますので、身近なもので比較しますと、タバコの煙の粒子で200~500ナノメートルです。一番大きいウイルスで1000ナノメートル、一番小さいウイルスでも14ナノメートルだそうです。

つまり、動いているHDD内でプラッタとヘッドの間にはウイルスも入れないくらいの隙間しか浮いていない、ということになります。
HDDと言う身近なパーツがいかに精密な部品か、そして衝撃に弱そうか理解できるのではないかと思います。

しかも、このプラッタは非常に傷つきやすくデリケートで、ヘッドが衝突するのはもちろん、小さなホコリの粒が入っただけでも故障の原因になります。

実はこの『蓋を開けて中を見る』と言うだけでも当店のように、特殊な機材でクリーンな環境を保っていないと、HDDからデータを取り出すどころか、むしろデータを破壊しかねない危険な行為です。

HDDは電源が入ると、自動でプラッタが回転して、一定速度になるとヘッドがプラッタの起こした風に乗るように動き出します。
動き出したヘッドは、プラッタ上にあるHDDの制御の為の情報(SA情報)を自動的に読み取り、初めてPC等の機器とデータのやり取りができる状態になります。
カッコンカッコンと言うあの独特の音は、ヘッドが動き出した直後にこの情報の読み取りに失敗し、自動的に何度もリトライを繰り返すことで発生します。
この状態ではパソコンと通信ができず、データを読み取ることも難しいです。

さて、ではどうすればお客様の大切なデータを取り出せるのでしょうか?
情報が読み取れない原因は、大別して2つ。プラッタ側に不具合があるか、ヘッド側に不具合があるか、です。
プラッタ側に不具合がある場合、データを記憶しているプラッタそのものの問題ですから、データを取り出すのは困難を極めます。

 

※当店にある、実際にプラッタの内周に傷のついたHDD

 

逆に、ヘッド側に問題がある場合、ヘッドはあくまでプラッタ上の磁気の読み書き装置ですから、交換することで改善する可能性があります。

では「とりあえずヘッドを交換してみれば良いのか」「簡単じゃないか」と思うかもしれません。
ですが、思い出してください。
風でほんのわずかに浮かび上がるように調整された繊細な部品を、触っただけで壊してしまう可能性があるプラッタの近くで分解して交換しなくてはならないのです。
しかも何に交換しても良いわけではなく、移植できる条件のようなものもあります。

 

※当店にあるHDDのヘッド先端部分の拡大。

 

また、交換に無事成功しても油断はできません。通電して、正常に通信できるように見えても終わりではありません。

それは、なぜヘッドが壊れたかを考えてみるとわかりやすいと思います。
HDD内は基本的に清浄な状態が維持されています。つまり、異物が非常に入りにくい環境です。異物がないのになぜヘッドが壊れるか? それは多くの場合、衝撃等が原因でヘッドがプラッタと衝突している可能性が考えられます。
しかも、その場合はヘッドが損傷するほどの衝突です。そうなるとプラッタのどこかに傷があるかもしれません。わずか数ナノメートルだけしか浮いていないヘッドが傷ついたプラッタの上を何度も通過することで再度接触してしまう可能性が考えられます。

被害拡大を食い止めるために、当店では更に特殊な装置を輸入して利用しております。
この装置はデータ復旧専門の装置で、お客様のHDDの中身と同じ状態のHDD、通称クローンディスクを作る装置です。
これはデュプリケーターと呼ばれ、安く市販されているものから、パソコンドック24系列店で特別に使っている高品質な製品までピンからキリまで存在します。当店のものはエラーのあるブロックにぶつかると、自動で任意の幅をスキップする(飛び越える)機能が搭載されておりまして、プラッタやヘッドへの負荷を最小限にしてクローンを作成します。
また、エラーのあった部分は記憶していて、エラーのない箇所から読み進め、最後にエラーのあった領域を、読み取り方向や速度を変えながらリトライして可能な限りお客様のデータを救い出します。
万が一、途中で再びヘッドが壊れても、再度ヘッドを交換した後、前回読み込んだ付近からリスタートすることで、より低負荷でかつ短時間の復旧を目指します。

※読めないブロック(黒)を認識し、他の正常なブロック(黄緑)を正常に読み込みました。

こうやって様々な工程を経てクローンが完了しても、まだデータが取り出せるとは限りません。
読めなかった箇所があるなら、データが破損している可能性があるからです。

今度はクローンしたデータを“解析”してデータ復旧を試みます。
復旧ソフトも無料のものから業務用ものまで幅広く存在します。当然ですが当店では業務用ソフトを複数購入しており、ソフトウェアの性質とお客様の望むデータの種類等を考えて、少しでも復旧率を上げるよう努力しております。

今回の例では、HDD内のデータの一部が読み取れない状態にあり、単純にクローンをとっただけではデータが読み取れなかったため、解析を行う必要があります。
HDD内のデータは、書籍で言うところの目次(インデックス)に当たるファイルテーブルと呼ばれる部分と、本文に当たるデータ本体とに別れています。
例えばファイルテーブルが破損していると、データ本体が無事でもそのままではパソコンで見ることができません。
それでも解析することで、データ復旧ができる場合も多く存在します。

 

※ファイルテーブルではなく、HDD内を解析してアプリケーションソフト毎に分類し抽出されたデータ(通称RAW データ)

もちろん、通常のデスクトップのファイルやドキュメント内のファイルも可能な限りもとの状態のまま復旧するようにします。
そして、一つの解析ソフトでデータが出なくても、様々なソフトを駆使し、何度も抽出を試行して、お客様のデータを復旧します。

今回は、ファイルテーブルの破損も少なく、結果的に異音がしているHDDからでもお客様に満足していただける復旧が出来ました。

今後も、技術を磨いてお客様に喜んでいただけるサービスを提供できるように努めていこうと思います。
もし、同様の症状でお困りのお客様はお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。

 

PC修理 「異音がする・熱い」の症状は?(修理に関する参考費用はこちら)

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