PC-9801ハードディスクをSSD化 PC-9801BA2
こんにちは。パソコンドック24 新大阪店 です。
産業用機器として工場の管理システムや、業務システム、過去データの参照用途等でまだまだ稼働しているNECのPC-98シリーズ。
PC自体は堅牢な設計の為、初期のモデルに見られるコンデンサ劣化や電源ユニットの経年劣化故障はあるものの、昨今のPCより長寿命です。
ただ、近年ハードディスクの耐用年数越えによる障害が増えてきており、
ハードディスク自体は、そのままで使用できる製品は無いものの現行品を加工する事で代替可能で、
その際のコストも特に高いわけではありません。
しかし、ハードディスクにインストールされていたソフトウェアは、
現在では製造メーカーが対応終了していたり、非常に高額であったり、メーカーそのものが無くなっていたりして、
器は用意できても中味が無い為、復旧不能=システムの新規入替導入となる事もよくお見かけします。
このような事態を避けるためにも、最低限ハードディスクの交換と、短期間でもシステムを止められないケースでは、そのハードディスクの予備の用意をおすすめします。
今回ご紹介のケースは愛知県豊田市の方からご依頼いただいた外付SCSIハードディスクにCADシステムを導入しているPC-9801でした。
外付SCSIハードディスクは、ハードディスクを内部に搭載できない初期のPC-9801シリーズで使用されていたもので、優に30年は経過しているものでしたが、いまだに現役で動作しています。
現代のハードディスクの寿命が5年程度といわれているのを考えると、20MBや100MBといった低容量だった頃のハードディスクの超長寿命が際
立ちますね。
とはいえモーターは摩耗しますし磁性体も劣化するので、まだ運用したいシステムであればメンテナンスが必須です。
SCSI外付ハードディスクの最後の頃の生産品の中には、ケース内部のハードディスクユニットはその後、長くパソコンで使用される事になる、IDE型のハードディスクをIDE-SCSI変換接続しているものも販売されていました。
このようなSCSI外付ハードディスクは簡単に内部のハードディスクを交換し近代化できるのですが、今回のSCSI外付ハードディスクは、ケースの中のハードディスクもSCSIモデルの古いタイプのものでしたので、事実上ハードディスクを新品交換する事は不可能です(SCSIハードディスクはかなり以前より製造されていない為)
このため何らかの構成変更が必要ですが、PC-9801BA2は内部にIDE型ハードディスクを内蔵する事できる中期以後の9801シリーズですので、この機会に外付ハードディスクを内蔵にして、併せてこちらも現在では新規生産されていないIDE型ハードディスクに替えて、SSD化と接続方法のSATA化を行います。
SSDであれば、振動や衝撃で破損しませんし動作も速いので最適です。
PC-9801BA2は内部に2基のIDE型ハードディスクを搭載できるように設計されていますので、SSD2基での運用も可能です。
この世代の9801に何故旧式のSCSI外付ハードディスクが組み合わされているのかは今となっては不明です。
この頃のPCはハードディスクの容量の対応上限がありますので注意が必要です。
SCSI外付ハードディスクのシステムをSSDに移行したら、内部に組み込みます。
電力は専用の4PIN電源ケーブルを使用しますがIDEケーブルは汎用品です。
内部はスペースがたくさんありますが、取付用のネジ穴がベストな位置になかったので内部フレームにネジ穴を切って固定しました。
この状態で、SSDをハードディスクとして認識していれば成功です。
無事認識しています。
これで、外付のSCSIハードディスクだったPC-9801BA2が、内蔵SSD搭載のPCとなりました。
ハードディスクが駄目になる前であれば、このようにSATA化によるHDDの新品交換やSSD化による延命が可能ですので、
まだPC-98システムを運用される方は、延命メンテナンスをおすすめします。
PC-98・オールドPC修理
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