こんにちは。パソコンドック24 三重・津店 の宇田です。
今回は鈴鹿市のお客様より、Windowsが正常に起動しないNECの一体型デスクトップをお預かりしました。
電源を入れるとログイン画面まではいつものように起動しますが、ログインパスワードを入力しても画面が真っ暗なままでデスクトップが表示されないそうです。
このようにデスクトップが正常に表示されない場合、ハードディスク等のハードウェアが故障しているケースもありますが、ハードウェアに異常がなくてもインストールされているソフトウェア、Windowsのアップデート等の失敗で発生することもあります。
通常は店頭で電源を入れて症状を確認するのですが、今回は大切なデータを保存しているとのお話でしたので、店頭で動作確認は行わずデータの保全を最優先に作業を進めていきます。
まず本体を裏返してネジを外していきます。ネジを全て外したら裏蓋を取り外します。
他社の一体型パソコンはネジを外してもさらにツメで固定されていることも多く、無理に外そうとするとツメを折ってしまう事があります。NECの一体型パソコンはネジを外すとすんなり裏蓋が取り外せることが多く、メンテナンス性が良いです。
裏蓋を取り外したところです。裏蓋を外した時にまず最初にすること、それは清掃です。取り外した裏蓋、ファン等内部は結構汚れています。特にファンはホコリが溜まっていると冷却不足になってしまうこともあるので要注意です。
次にハードディスクを取り外してデータのバックアップを取ります。
その後ハードディスクの状態を調べるのですが、やはりハードディスクに物理障害が発生していました。ただ、幸いにしてお客様が必要としているデータはすべて取り出しができました。
ハードディスクのS.M.A.R.T情報を見たことろです。これはハードディスクが自己監視、分析した記録となります。今回記録されているエラー箇所は1カ所(←)ですが、1カ所でもエラーが見つかれば起動に不具合があっても不思議ではありません。
今回はハードディスクの障害が比較的軽症でしたのでデータの取り出しが出来ましたが、このまま使用して障害が進むとデータの取り出しができなくなる可能性があります。
大事なデータが入っているときは、できるだけ早くご相談いただいた方が良いですね。
不具合のあるハードディスクはそのまま使用することはできませんので、お客様とご相談のうえ、動作も格段に速くなるSSDに換装することになりました。
ただ搭載されているハードディスクは3.5インチ、SSDは2.5インチとサイズが違うため、そのままでは本体にしっかりとネジで固定することができません。
そのため大きさを調整するアダプタを使用します。今回は端子が元のハードディスクと同じ位置になるアダプタを使います。
SSDを取り付けたところです。なぜ元のハードディスクと端子の位置が同じになるアダプターを使ったかというと、このパソコンは画像の通り、接続ケーブルがSSD端子までの長さしかなく余裕がないためです。ケーブルの長さに余裕がある場合はアダプターにそれほどこだわる必要はありません。
裏蓋を取り付け、組立てが終わったらWindows10をクリーンインストールし、その後ドライバ、アプリをセットアップします。
最後にバックアップしていたデータをパソコンに戻して修理完了です。
このパソコンは元々Windows8.1のモデルですが、メーカー直販モデルでメモリも16GBに増設している当時の高性能モデルのため、SSDに換装したことで見違えるようにキビキビと動作するようになりました。
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