キーボード部を水拭きした後から一部のキーが入力できなくなったと、北名古屋市のお客様より修理のご依頼です。
17インチ液晶でGPUを搭載したゲーミングパソコンです。
キーボードはキートップだけが出ているもので、ほぼ全分解しないと交換はできません。
Lenovo Legion Y540-17IRH の分解は特殊なところがあるので、分解も解説します。
キーボードの入手
Legion Y540-17IRH用のキーボードを探しましたが見つかりませんでした。
本来はキーボードの型番を調べパソコンの型番と併せて探しますが、キーボードの型番はマザーボードを外しても隠れていて確認できませんでした。
いろいろ調べたところ17インチ機種専用のキーボードはなく、15インチ機種と共通のようでした。
見つかったのは15インチ用の英語キーボードで、元のキーボードも英語キーボードです。
発注時点での確信はありませんでしたが、使用可能なものが入荷して一安心しました。
トラックパッド・液晶パネルを除き全分解
キーボードはプラスチックのリベットで接着されているため、基本的に全分解となります。
裏蓋の外し方から。
最初に手前のネジ2個を外し、LEGIONと書かれている蓋を手前にスライドさせます。
この状態でメモリーやSSD・HDDの交換は可能になりますので、一般的なメンテナンスは楽ですね。
青四角のバッテリーコネクターを外してから作業をおこないます。
M.2タイプのSSD(緑四角)がありますので取り外します。
HDDのマウンターはありますがSATAコネクターはありません。
赤丸のネジを全部外して内部にアクセスします。
内部分解
裏蓋を取ったところFANのホコリ詰まりにびっくり。
きれいにしておかないといけませんが、分解はバッテリーを取るところからです。
次に外すのは排気FANとヒートシンクです。
ヒートシンクの下に液晶ケーブルがあるので注意します。
マザーボードの取り外し
マザーボードを取り外していきます。
赤丸のネジを取り、矢印部分の金属カバーも取ります。
無線LANカードに取り付けられているアンテナケーブルと青四角のスピーカーケーブルも外します。
赤四角のコネクターはマザーボード上側にありますが、緑四角のケーブルコネクターはマザーボードの裏側にあります。
無線LANカードを取ると、もう一つネジがあるので取り外します。
これでマザーボードの取り外しができます。
サブ基板取り外し
3個のサブ基板を取り外します。
キーボードケーブルの接続用基板がありますが、単純にケーブルの中継基板です。
残り二つは、USBジャック基板と電源スイッチボタンの基板です。
電源スイッチ基板はネジ止めされています。
左右のヒンジ部のネジも同時に取り外しておきます。
液晶トップケース取り外し
キーボードを取り外すにはプラスチックのリベットを削り取らなければなりません。
かなり力を込めるので、液晶パネルを傷める危険があります。
パネル割れ防止のため、液晶トップケースは取り外しますが、少々特殊です。
ここまでの作業でマザーボード側のネジは取ってありますが、液晶トップケースを取り外すだけならマザーボードを取り外す必要はありません。
写真のネジと液晶ケーブルのみで済みます。
パソコン本体を裏返します。
赤枠の部分が外れると、左右に止めネジが2個ずつあります。
そのまま液晶トップケースを上に持ち上げて取り外しますが、液晶ケーブルに注意。
キーボード取り外し
このあとはキーボーの交換ですが、ここからが一番時間がかかります。
リベットを地道に一個ずつ取っていくのですが、数が多いので大変です。
金属のカバーが取れました。
さらにキーボードを取っていきます。
無理をするとキーボードの枠が割れてしまいますので慎重に外します。
キーボードの取り付け
入荷済みキーボードを取り付けていきます。
キーボード入力が正常なのはマザーボードを取り外す前に仮付けで確認してあります。
強度に問題ないよう取り付けると同時に、位置ずれしないよう取り付けをおこないます。
その後に金属カバーも取り付けていきます。
取り付けも時間と根気のいる作業です。
リベット止めタイプのキーボード交換はなかなか大変です。
全パーツ組み戻し・完了
キーボードの取り付けが終われば組み立てるだけです。
工数は多いですが、分解と逆工程でおこなって完了です。
組み立て終わってから、Windowsの起動やネット接続などを確認してからご返却となりました。
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