こんにちは。パソコンドック24 本町店 です。
枚方市のお客様より、Sony VAIO VPCCB4AJ をお預かりしました。時々青い画面が出て再起動してしまうとのことです。店頭で確認しましたが、いろいろ操作しても現象が再現せず、調子よく動作しているように見えます。お客様も、どういうタイミングでブルースクリーンが発生するのかよく分からないとのことです。普通にホームページを見ているだけでも急にクラッシュしてしまうとのことですが・・・
「VAIO VPCCB ブルースクリーン」でGoogleを開いても、ピンとくる情報が見当たりません。
特に問題がないように見えますが、お預かりし、じっくり診断いたします。
まずは、ツールを用いてブルースクリーンの解析を行います。
BlueScreenViewというツールを用います。店頭では現象を確認できませんでしたが、ブルースクリーンが発生した形跡をこれで確認できました。
STOP: 0x00000050 エラーコードです。
この種のブルースクリーンが発生する要因として、一般的には以下が考えられます。
- HDDの物理故障
- メモリの故障
- 追加したハードウェアの認識不良
- 追加したソフトウェアの不具合
- ファイルシステムの破損
- セキュリティソフトのバグ・・・などなど・・・
つまり、何でもアリということで、これ自体はあまり参考になりません。原因は色々と考えられますが、やみくもに構成を組み替えたりしながら解決を試みると、かえって状況を悪化させることがあります。私達はパソコン修理のプロなので、ちゃんと順序に沿って解決を図ります。
今回の不具合をもう少し掘り下げて診ていきます。エラーコードから、メモリ、ハードウェア、システム・サービス、ファイルシステムなどに原因があるらしいことは分かります。
メモリとハードディスクが物理的に壊れていないか診断しましたが、問題ありません。ハードディスクが破損していると面倒なことになることが多いので、このへんのチェックは早めの段階で行います。万が一ということもあるので、データの保全をしたうえで診断を進めます。
Windows OSリカバリー
お客様から聞いた話によると、特にハード構成を変えていないのに、いつ頃からか急にエラーが頻発したとのことです。ということは、状況的にはソフト面が怪しいということになります。
エラー発生時に、システム内部では何が起きていたのか?手掛かりを得るために、イベントログを見ることにします。
2/27 22:07:07に何があったんだろう (・.・;)
システムログでざっと眺めてポイントを特定したら、次はアプリケーションログを観察して絞り込みます。
・・・・・ふむふむ(・へ・)
Adobe系のソフトのエラーが原因でブルースクリーンが発生しているらしい。
このパソコンに入っているAdobe系ソフトというと、Flash・Reader・PhotoshopElement・・・
普通にネットを閲覧しているだけで無意識に実行される可能性があるAdobeアプリというと、だいたい察しがつきます。
Flashです。
改めてブラウザを開いてみると、Flashの動作がどうもおかしい!
とりあえずFlashを再インストールしてみました。
しかし今度はFlash系の動画が静止画に。あれーーー。 ($・・)/~~~
そんななか、Adobeのサイトをうろうろしてるとやっとブルースクリーンが再現!!
やっと出ました、ブルースクリーン。
特定のページにアクセスするとブルースクリーンが発生することが判明。何度試しても再現できました。
とにかくFlashが原因?
でも、さっきFlashを再インストールしましたが改善されませんでした。正しくインストールされてないのではないかとか考えるとキリがないので、次のチェックに進みます。よく言われる「相性問題」というもので、Flashの動作と関係する「他の何か」の側に問題がある可能性も高いのです。
実はこの時点で、私達プロは原因についてほぼ目星がついています。
ある日急にエラーが発生するようになったとのことなので、最近インストールされたソフトを見ていきます。たぶん2月27日ですね。
2月27日にインストールされたソフトは無いかなぁ??? と見ていくと、発見◎
KB2670838。更新プログラムが1件だけインストールされている。
MSのKB2670838について情報を調べてみると、不具合情報が目立ちます。
\(゜ロ\) しかもMSの公式ページに orz
http://support.microsoft.com/kb/2670838/ja
どうやらこのパッチが悪さをしていることが分かりました。
上記ページの下のほうに書いてありますが、AMD Radeon HD 6630Mを搭載している本機は不具合が発生するケースとして、すでに確認されていました。
パフォーマンスや機能を改善するためのパッチなので、実際に悪化している以上、無理に導入する必要はありません。今回はこのパッチをアンインストールすることにします。
WindowsUpdateで適用除外の設定を行ないます。これをやっておかないと、またインストールされてしまいますので。
最終的に動作確認。
問題なし。
はい、完了。
修理を完了しました。
ブルースクリーン頻発のVAIO VPCCBの修理を完了しました。
(Googleさんに言ってます)
今回の不具合の原因は、オプションのWindowsUpdate更新プログラムを適用したことでした。
このKB2670838、現在ではオプション扱いとなっていますが、リリース時は「重要な更新」扱いでした。そのため、知らないうちに自動的にインストールされ、さまざまなトラブルが発生するようになった人も多いと思います。
先日配布が始まったWindows7用のIE10の動作にはこのKB2670838のインストールが必須なので、IE10に関連する問題としても認識されています。ということは、VAIO VPCCBでは当面のところIE10をインストールできないということになります。またいずれ修正プログラムが配布されると思います。
ウイルス対策として、セキュリティを固めるためにWindowsUpdateは重要ですが、場合により重大なエラーとなるのでご注意ください。一般のユーザにできることとしては、問題が起きたら無理して使い続けずに、いざという時はシステムの復元を試みることをおすすめします。無理して使っているうちに、肝心の復元ポイントが失われることもありますので。
ともあれ、今回も無事に納品が完了してメデタシめでたし。今回みたいに、どういう時に問題が発生するのか分かりにくいことも多いものですが、ぜひお気軽にご相談ください。
PC修理 「正常に起動しない」の症状は?(修理に関する参考費用はこちら)
PC修理 「動作が遅い・固まる」の症状は?(修理に関する参考費用はこちら)
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