【SSD故障】自動修復無限ループ dynabook P1E7KJBG

名古屋・庄内緑地公園店の修理事例

名古屋市北区からお越しのお客様より、「自動修復という画面になってパソコンが起動しない」とご相談いただきました。
再起動しても同じ画面が表示され、正常起動しません。

dynabook P1-E7KJ-BG P1E7KJBG E7/K　「PCが正常に起動しませんでした」

第8世代のCore i7が搭載されたWindows10モデルパソコンで、Windows11にアップグレードした上で使用されていました。

電源を入れると「PCが正常に起動しませんでした　[再起動]を押してPCを再起動すると、問題を解決できる場合があります。また、[詳細オプション]を押して、その他の方法でPCの修復を試すこともできます。」と表示され、Windowsが起動しません。
再起動を何度行っても同じ画面にたどり着き無限ループします。

自動修復はOSが破損しWindowsを起動できない場合に表示されることが多いです。
原因は多岐にわたりますが、中でも多いのはSSDやHDDなどのドライブ故障かウイルス感染・OSアップグレードなどによる起動領域破損です。

分解：SSD・HDD

蓋と光学ドライブを外します。

この機種はネジが多いですね。
22個のネジを外してパネルを取り外します。

バッテリーコネクターを抜き取り、SSDとHDDを外します。
メモリー故障でOS破損をすることもありますが、仮組みしてメモリーチェックテストを行った結果異常は検出されませんでした。

SSD・HDDステータス確認

HDDの電源投入回数が「877回」であることに比べ、SSDの方は「3回」と検出されています。
パーセンテージも減少しており、不調を抱えていることは間違いなさそうです。

SSD故障

上記の不調を踏まえて全周検査（読み書きのスピードテスト）を行うと、先頭付近から半ばにかけてと最後あたりでスピードにかなりの上下が見られました。

グラフ線がないところはグラフ上限を超えたところでスピード検出をしていますので、SSD故障とみて間違いなさそうです。

データ復旧

SSD・HDD共にBitLocker暗号化がかかっており、通常では内部データを復旧することはできません。

参考記事：BitLockerとは【BitLockerの要件と自動有効化の問題点】

今回は幸いにもMicrosoft アカウントのログイン情報（メールアドレス・パスワード）がわかったため、BitLocker回復キーにアクセスしてデータを救出することができました。

CドライブとDドライブ合わせて5.6GBほど取り出せました。

フォルダー構成も無事です。
更に、Windowsを再インストールするためのデータも同時に取り出しておきます。

SSD交換・内部清掃

故障したSSDを新品のものに交換し、パネルを閉める際に干渉しない厚さのヒートシンクを装着します。
使用されているNVMe SSDは従来のものに比べ熱を発しやすいため、対策が必要です。

HDDは内部消去を行い、再度Dドライブとして利用できるようにしました。
内部清掃を行い、組み戻します。

Windows11クリーンインストール

もともとはWindows10モデルですので、リカバリーするとWindows10に戻ってしまいます。
不具合防止のため、Windows11のクリーンインストールを先程組み込んだSSDへ行います。

データ復旧の際に取り出しておいたデータを移行し、「初期状態に戻す」を行います。

こうすることでdynabookのオリジナル環境に近づけることが可能です。
前述したMicrosoft アカウントを利用してMicrosoft Officeのインストールも行いました。

BitLocker暗号化解除

BitLockerはクリーンインストールでも初めからかかっていることがあり、今回もそうでした。
暗号化されているとデータ復旧が困難になったり、BitLockerが原因でWindows起動不可になったりします。

そういった不具合をなるべく避けるため、設定からBitLockerを解除しておきます。

救出データをDドライブへ格納

SSDは空き容量が少なくなると寿命が短くなる傾向にあります。

今回復旧したデータはCドライブにあったものがほとんどでしたが、全てDドライブへ格納しました。

外部清掃・返却

Windows Updateの適用やPDFリーダーのインストールを進め、使いやすいように設定を変更します。
外部清掃を行ったら返却です。
返却の際、データはなるべく早く外付けメディアにもコピーし、パソコンの中と外に同じデータがある状態にしていただくようお願いしました。
データの保全は二重化が一番安全です。

OSが破損した場合、再発を防ぐためにOSを再インストールすることが望ましいです。
また機械的な故障が原因の場合、データや環境が大切なときは修復・システムの復元などを行うと悪化してしまう場合があります。
OSが起動しないときはまず早めにご相談いただければ幸いです。