こんにちは。パソコンドック24 名古屋・庄内緑地公園店 です。
尾張旭市からお越しのお客様より「USBメモリーがパソコンで認識されず、内部のデータを見ることができない」とご相談いただきました。
ポートへ挿すとランプが点滅するはずですが、全く光らずエクスプローラーでも表示されません。
SONY ポケットビット USM16GU USBメモリーがパソコンで認識されない
10年以上前に発売された16GBのUSB 3.0対応USBメモリーです。
前日まで使えていたのに急に内部データの確認ができなくなってしまったということでお持ち込みいただきました。
端子の色が青くUSB 3.0対応ということが一目でわかりましたので、USB 3.0ポートに挿しましたが全く認識しません。
読み込みが始まると赤くランプが点滅するはずですが、一切光りません。
こうなると通電していないということなので、分解して内部チップからデータ復旧を行う高難易度復旧に転送することになるかもしれません。
ところが、当店の設備でなんとかできないかと試行錯誤していたところ以下の事実が判明しました。
USB 2.0では認識するがUSB 3.0では認識しない
色々試していたところ、USB 2.0として認識させた場合ランプが点滅し内部データの確認も可能でした。
エクスプローラーでも容量バーが表示され、使用量もわかります。
Excelなどの書類データの確認ができました。
USB-Type A規格
一般的なUSB-Type A規格には「USB 2.0」と「USB 3.0」というものがあります。
USB-Type A規格とは画像のような長方形のものです。
USBといわれて思い浮かべる最も多い規格はこの形ではないでしょうか。
画像のようにUSBポートやメモリーのコネクターが、黒や白色になっているものがUSB 2.0規格、青色になっているものがUSB 3.0規格であることが多いです。
USB 3.0は2008年に出たUSB 2.0の後継規格です。
USB 1.1が最初のUSB-Type Aの(マウスやキーボード向け)規格で、数字が大きくなるほど転送速度(データコピー速度)が上がります。
USB 2.0とUSB 3.0
USB 2.0 転送速度(理論値):480Mbps
USB 3.0 転送速度(理論値):5,000Mbps(5Gbps)
※bps:1秒あたりに転送できるビット数単位
理論上はコピー時間に10倍以上の差が出るということですが、実際はパソコンやUSBメモリーの性能によって上下しますので2~3倍といったところです。
USB 3.0はUSB 2.0と互換性があり、USB 3.0対応のUSBメモリーをUSB 2.0ポートに挿してもスピードは2.0性能基準になりますが問題なく使用できます。
USB 3.x規格
USB-Type Aの3.0には後継規格がUSB 3.1とUSB 3.2の2つあります。
USB 3.0=USB 3.1 Gen 1=USB 3.2 Gen 1 転送速度(理論値):5Gbps
USB 3.1 Gen 2=USB 3.2 Gen 2 転送速度(理論値) :10Gbps
USB 3.2 Gen 2 2×2 転送速度(理論値) :20Gbps
ここでも数値上転送速度に大体2倍ずつの差がつきます。
中央のUSB 3.1 Gen 2ポートは水色であることが多いです。
USB 2.0とUSB 3.0の形状
ではなぜUSB 3.0では認識せずUSB 2.0で認識したのかということですが、形状に答えがあります。
図解を描いてみました。
USB 3.0はUSB 2.0と互換性を持たせるため、2.0の形状に接点を追加して作られています。
下側にある5つの部分がそうです。
実際に金属シールドを剥がすとこんな状態です。
接点を追加することで、USB 2.0と3.0どちらでも使えるようになっています。
USB 3.0対応の端子とポートでも、ゆっくり挿したり半挿しにしたりすると2.0として認識します。
ゆっくり挿すとまず4本の2.0端子が接触するため、2.0規格として認識されるということです。
素早く挿し込めば5本の3.0端子がすぐ接触するので、その場合は3.0規格として認識されます。
よくあるのは外付けHDDのランプで3.0だと青、2.0だと白に光るものです。
3.0に挿したのに白色に光るのはなんでだろう? となった場合、挿すスピードが遅かったり挿し方が甘かったりする可能性があります。
USB 2.0でしか認識しなかったのはUSB 3.0追加接点を読み取れないから
ということで、今回お預かりしたUSBメモリーはどうやら3.0の追加接点が故障していたようです。
3.0ポートにゆっくり挿して2.0として認識させた場合や、2.0規格のポートに挿すと画像のようにランプが光り内部データの確認が可能でした。
今回のようにUSB 3.0では認識せずUSB 2.0として認識させると内部データが読み取れるという現象は珍しく、今回以前では見たことがありません。
データ復旧としてお預かりしたものの、2.0規格のポートがあればご自分でデータを救出していただくことが可能です。
そのため、ポートの見分け方をお教えしてそのままご返却いたしました。
USB-Type Aポートの見分け方
最近のパソコンは黒いUSBポートでも3.0規格のことが多く、ぱっと見では規格がどちらなのかわからない場合があります。
これがUSB-Type Aの規格アイコンです。
パソコンにはこのように印字されていて、USB 2.0対応規格です。
次はUSB 3.0対応規格ですが、ポートが黒色になっています。
その場合、近くに他のマークが印字・刻印されていることがあるので確認してみましょう。
「SS」が追加されていると、「Super Speed」対応ということで3.0ポートです。
USBアイコンに「10」が追加されているときは、「10Gbps」対応ということでUSB 3.1規格ポートです。
こちらも水色(青)ではなく黒色や赤色のことがあります。
他にも追加接点があるかどうかで対応速度を確認できるので、明るい場所で覗き込む方法もあります。
USBメモリーが全く通電しない場合は、転送速度の違うポートに挿してみると認識することがあるかもしれません。
ただし物理障害や論理障害が起きている可能性もあるので、データ保護をご希望の場合は早めにご相談ください。
SSDやUSBメモリー、SDカードなどの電子チップで構成されたメディアは故障した際データ復旧が困難になりやすいです。
HDDも含め機械はいつか必ず壊れますので、データはパソコンの中と外付けメディアなど2カ所に保存するようにしましょう。
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