こんにちは。パソコンドック24 名古屋・庄内緑地公園店 です。
名古屋市天白区からお越しのお客様より、「Surfaceの電源が入らなかったり、入っても途中で電源が落ちてしまう」とご相談いただきました。
キーボードの付け外しやUSBメモリーの取り外しを行うと、その衝撃で落ちてしまいます。
Microsoft Surface Pro7+ 1960 電源が落ちる・電源が入らない
Core i5搭載のWindows11モデルです。
持ち込まれる前日から電源が落ちるようになり、時折電源ボタンを押しても反応がないとのことです。
ACアダプターをつけていても症状に変化がないためバッテリーやマザーボード異常の可能性が考えられましたが、今回は別のところに原因がありました。
分解:SSD
データが必要と伺っていたので、まずはSSDを取り外します。
キックスタンドを引き上げ、左下にある小さな穴にピンを差し込みます。
SSDがありました。
蓋を外した時点で通電しなくなるので、そのままトルクス対応ドライバーで外します。
環境保全後ウイルスチェックを行いましたが、問題は検出されませんでした。
電源が落ちる原因
Surfaceはキーボードがマグネットタイプで、磁力により本体と接続されています。
本体とキーボードの間に小さな金属ボール(ボールチェーンの金属ボールを小さくしたようなもの)が挟まっており、それを取り外すことで症状が改善しました。
どうやら金属ボールのせいで瞬間的にショートしたような状態になっていたようです。
Windows上での負荷テストも完走し、動かしたりキーボードを付け外ししたりしても安定して電源が入った状態を保てました。
SSD不調・OS破損
上記で取り外したSSDを検査ツールにかけると、健康状態のパーセンテージが若干下がっていました。
念のため読み書きのスピードテストを行ってみると、「このディスクは壊れていると判断いたします」と表示されました。
使用中に電源が落ちた関係か大量の「defaultuser」が作成されており、破損とまではいかないもののOSの調子も良くないようです。
また、SSDの空き容量が10GBを切っており容量バーが赤くなっています。
以上を踏まえてお客様と相談した結果、SSDを交換しWindows11を入れ直すことになりました。
SSD交換
取り付けられていたSSDは128GBでしたので、容量を増やし256GBのものを組み込みます。
本来であればヒートシンク(熱伝導金属板)を取り付けたいのですがスペースに余裕がないため、蓋に薄いサーマルパッド(熱伝導シート)を貼り付けることで対応しました。
リカバリー
SurfaceはMicrosoftのメーカーページからリカバリーイメージをダウンロードすることが可能です。
ダウンロードしたデータで回復ドライブを作成し、USBから起動して「ドライブから回復する」を選びます。
2024年7月10日に配信された更新プログラムを適用すると、BitLockerの回復キーを求められるブルースクリーンになる事例が多発しています。
トラブル防止のため、デバイスの暗号化を解除しました。
リカバリーイメージはWindows11の22H2(2022年下半期バージョン)だったのですが、Windows Updateでは23H2(2023年下半期バージョン)への自動更新ができませんでした。
22H2は2024年10月8日でサポートが終了してしまうため、23H2のUSBインストーラーを使用してバージョンアップします。
最新まで更新できたら、Microsoft Officeのライセンス認証や使用しやすいように設定変更を行っていきます。
また安定起動できるようになった段階で救出しておいたデータを、修理後のデスクトップ上にフォルダー作成の上移行しました。
外部清掃・返却
金属ボールによって電源が落ちてしまうという現象は初めて見ました。
ですが、Surfaceシリーズは液晶画面が強力な粘着テープで本体に貼り付けられていることが多いので、バッテリーなどの交換になると高額になりがちです。
金属ボールは1mmもないくらいの小さなものでしたので、写真におさめるまもなく床に落ちどこかへいってしまいました。
そんな小さなものでも電源が落ちるほどの大きな影響が出るということで、修理業者としても良い勉強になりました。
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