こんにちは。パソコンドック24 名古屋・庄内緑地公園店 です。
名古屋市北区からお越しのお客様より、「前日までは使えていたのに、使おうとしたら電源が入らない」とご相談いただきました。
充電ランプも電源ランプも点灯せず、全く反応がありません。
富士通 LIFEBOOK FMVA50F3W AH50/F3 電源が入らない
Ryzen7 5000番台搭載のノートPCです。
電源が入らなくなる前日までは普通に使えていたのに、今は電源ボタンを押しても全く反応しません。
ACアダプターを挿しても充電ランプが点灯しないので、そもそも通電していないようです。
分解:SSD・バッテリー
電源が入らない場合様々な原因が考えられるため、ひとつひとつパーツを取り外して検証していきます。
裏面の蓋を外します。
ロックとネジを外し、バッテリーとSSDを取り外します。
充電したまま使用することが多かったとのことですので、バッテリー故障を疑いこの段階で電源投入を試みましたが改善しませんでした。
SSDステータス:正常
使用時間も短く、SSDは正常です。
保全した環境でウイルスチェックを行いましたが、こちらも問題なし。
SSDやHDDが著しく故障していると起動しないこともありますが、そうではないようです。
分解:マザーボード・CMOSバッテリー
多くのパソコンにはCMOSバッテリー(日時等設定保持用ボタン電池)が搭載されていて、それを外して内部電圧をリセットすることで起動するようになる場合があります。
マザーボード故障でないかどうかの検証も含め、分解していきます。
12個のネジを外し、光学ドライブとベースカバーを取り外します。
ベースカバーを外した段階ではボタン電池は見つかりませんでした。
2個のネジと9個のケーブルを外し、マザーボードを筐体から取り外します。
ボタン電池がありました。
CMOSバッテリーなどの交換する可能性があるパーツは、蓋を外したらすぐアクセスできるくらいの位置にあってほしいものです。
一度取り外して接触部分をショートさせ、リセットの上で組み戻しましたが改善せず。
しかしその状態でACアダプターを挿し、充電ジャックやマザーボード上の電圧をテスターで確認すると、おかしいところは見当たりません。
電圧を測っている間にメモリーを対応した検証用ノートPCでエラーチェックしましたが、こちらも問題なし。
そうするとCPU故障の可能性が高くなりますが、念のためボタン電池をもう一度外し、その状態で夜を越すことにしました。
CMOSリセットで回復
祝日定休を挟んだため1日半ほど経過してから仮組みして電源を入れると、ランプが点灯し画面がつきました。
「リアルタイムクロックのエラーです。」は、CMOSバッテリーを外したことで日時などの設定にリセットがかかった状態です。
内部電圧を完全にリセットすることで不具合が解消し、電源が入るようになりました。
CMOSバッテリー軽度消耗・交換
ボタン電池の電圧を測ると軽度の消耗が見られたため、新品に交換します。
内部清掃後組み戻すと、再度日時のリセットがかかるため現在の日時に合わせます。
再発防止設定変更
また電源が入らなくなるということが起きないよう、再発防止として設定を変更します。
まずは高速起動(Fast Boot)の解除。
これが有効になっていると重要な部分以外のチェックを飛ばすため、不具合を見逃す可能性があります。
Windows10以降スリープからの復帰ができない例がたくさんあるので、スリープ設定も解除しておきます。
更に、高速スタートアップも解除しておきます。
高速スタートアップは、シャットダウン直前の状態をSSDやHDDに書き込み深いスリープにつくような設定です。
これが有効になっていると書き込んだデータから起動するため起動時間が若干速くなりますが、発生した不具合を持ち越しやすくなってしまいます。
Fast Bootと高速スタートアップを解除することで起動時間が多少遅くなりますが、起動ドライブにSSDが採用されているので体感としてはほぼ変わりません。
負荷テスト・外部清掃
電源やCPU、グラフィックなどを一通り負荷テストで機能を確認し、外部清掃が完了したら返却です。
無事起動するようになり一安心ですね。
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