おはようございます。こんにちは。こんばんは。
パソコンドック24 豊田店 です。
今回は豊田市のお客様よりFMVU28021をお預かりし、修理いたしました。
富士通FMVU28021 LIFEBOOK U9310/D 音が鳴らない
・中古パソコンを購入したが最初から音が鳴らなかった
・販売店に問い合わせたが解決しなかった
・音が鳴るようにしてほしい
今回は リフレッシュパックにてご対応いたしました。
【要点】
・パソコンのトラブルには機械的な要因とソフトウェア的要因がありますので、問題の切り分けが必要です。
・パソコンの正常動作には適切なドライバーがインストールされていることが必要です。
・中古パソコンをお求めの際は価格だけでなくサポートの充実さも大切です。
FMVU28021 LIFEBOOK U9310/D 修理内容のご紹介
とある通販サイトで整備済みWindows11搭載の中古パソコンを購入したところ、購入当初からパソコンのスピーカーから音が出ず、販売店に問い合わせをしたが解決に至らず、販売時に説明もなかったため納得いかないが、せっかく購入したのでなんとか使用できるようにしてほしいとのことでした。
お客様ご自身で調査したところ、デバイスマネージャー上で”サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー”の項目が表示していなかったそうですが、販売店に相談すると、「パソコンにインストールしたWindows11 24H2では音が出なくなる不具合が報告されており、マイクロソフト側の問題だから我々では対応できない。」といって取り合ってくれなかったそうです。
お客様ご自身でWindows11メディア作成ツールをダウンロードし、USBメモリにインストーラーを作成されて新規インストールを試されたそうですが、音のならない症状が改善せず、お持ち込み頂く運びとなりました。
販売店の姿勢に疑問を感じ、何とか解決できる方法がないか診断させていただきたいとお伝えしたところ、診断にご同意いただけましたので、修理方針と概算見積をお伝えしてお預かりしました。
診断
受付時の簡易診断にて、UEFI(BIOS)上のAudioコントローラーは有効で、USBメモリに収録した外部OSから起動した際にはスピーカーから音が出ることが確認できました。問題の切り分けの観点から、パソコンの機械的問題ではないことがわかりました。
記憶媒体の保全を行った後、お客様構築の環境をテストするべく起動すると、Windows11の受付当時最新バージョンである24H2でした。デスクトップのタスクバーを確認すると、スピーカーアイコンにミュートとは異なる”X”がついた状態で、音楽などが再生できない状態でした。また、デバイスマネージャーを開くと多くのドライバがインストールされていませんでした。
検証
2025年3月現在Windows11 24H2には既知の不具合として、機種によっては音が鳴らなくなる不具合があります。
cridspapo.dll を備えたディラック オーディオがある一部のデバイスでは、オーディオ出力が失われる可能性があります
しかしながら、本当に販売店の主張のようにOSの不具合のため音が鳴らないのか検証を行いました。
※作業の過程を撮影しておりませんでした。申し訳ございません…。
FMVU28021の仕様をお調べすると発売時点ではWindows10が搭載されていました。また、オーディオの項目を見るとディラックオーディオの表記はありませんでした。
Windows11や10はWindows Updateの機能が以前のWindowsと比べて優秀で、実行すると自動的にほとんどのドライバーがダウンロード・インストールしてくれるため、デバイスマネージャー上からドライバーがインストールされていないことを示す”エクスクラメーションマーク(!・ビックリマーク・感嘆符)”が次々表示されなくなっていきます。実際にWindows Updateを行うと正常にインストールされたように見えましたが、それでも音は再生されませんでした。
メーカーサポートページ”FMVサポート 機種別サポート情報・ダウンロード ダウンロード”には各種ドライバが用意されています。今回は、Windows10 22H2、11 23H2、11 24H2をそれぞれ新規インストールを行い、メーカーサポートページからダウンロードしたドライバーを適用し、さらにWindows Updateでドライバーを補完することで、音や音楽が再生できるようになりました。
24H2不具合とは関連なく、ドライバーの適用手順が不十分であったことが原因であることがわかりました。
さらに回復ドライブを作成し、”ドライブからの回復”を実施しても、ドライバーがすべて適用されて状態で回復直後から音が鳴ることがわかりました。お客様に検証結果とお見積をお伝えし、ご了承いただきました。
納品
念のため安定動作を優先してWindows11 23H2を新規インストールし、各種ドライバ更新やWindows Updateなどを実施し環境を整えるリフレッシュパック作業を実施、各部正常動作を確認いたしました。
後日お客様にご来店いただき、検証結果の詳細をご報告と動作確認をいただき納品させていただきました。加えて、Windows11のインストーラー作成のため別途購入されたUSBメモリを有効活用していただくために、回復ドライブの作成手順をお伝えいたしました。「安物買いの銭失いとなってしまったが、パソコンが問題なく動作するようになってよかった。」と安心されたご様子でした。
新品のパソコンであれば一定期間のメーカー保証がありますし、最初から各機種に合わせてカスタマイズされたWindowsがインストールされています。データは失われてしまいますが、重度のOS破損が生じない限り、”PCのリセット”、”初期化”、”リカバリー”を行うことで工場出荷状態やクリーンな環境に戻せる機能が整っています。
中古パソコンは、メーカー出荷時のWindowsと異なるバージョンがインストールされていたり、メーカー出荷状態に戻せなかったり、機種に標準搭載のドライバーや各種アプリケーションがインストールされていないことがあります。今回のケースはWindows11をインストールするための機械的要件を満たした機種でしたが、整備済みを謳っているのなら、きちんと動作検証などを行ったり、状態や不具合をきちん表記したり、不具合の報告には真摯に対応してくれる販売店だったらよかったのにと残念な気持ちになりました。
もし中古パソコンを購入したいがどこで買ったら良いのか、どんなパソコンを選ぶべきなのか、購入したパソコンにトラブルが生じたらどこに相談したらいいのかといった、パソコンなどIT機器に関するご相談がございましたら、近くのパソコンドック24までお気軽にご相談ください。私たちは常にお客様のお困りごとに真摯に向き合い、最適な解決策を提供することを心がけています。
この記事がご覧いただいたみなさまのお役に立ちましたら幸いです。
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