今回は電源が入らないNECのデスクトップPC、PC-VG30S1ZMMの修理依頼がありました。
早速、電源を入れて確認します。
電源投入ランプがオレンジ色に点灯しています。
電源が正常に入らないと、この色で表示される機種が多くあります。
原因として多いのが、マザーボード(ロジックボード)故障や、電源ユニットの故障。
調べてみるとマザーボード上のコンデンサが2個、膨張・液漏れを起こしていました。
不良のコンデンサを交換すれば改善しそうです。
膨張・液漏れしたコンデンサを取り外して、どういう状態(異常状態)になっているのかを調べてみました。
In-Circuit/Leaky ESR=0.16Ω
In-Circuit/Leaky ESR=0.24Ω
コンデンサの異常状態を調べてみるとこのように表示されました。
ちなみに異常コンデンサと同じ規格の交換用コンデンサ(正常)で同じことをするとこんな感じになります。
In-Circuit/Leaky ESR=0.08Ω
In-Circuit/Leaky ESR=0.09Ω
と新品の正常なコンデンサでも、けして数値が0.00にはなりません。
何だこれはと言いますと、どのくらいコンデンサの働きを損失しているかを表した数字です。
大きければ大きいほど正常に電力を蓄えたり放出したりする事が出来なくなります。
In-Circuit(電気回路内…コンデンサの)/Leaky(漏れやすさ) ESR(等価直列抵抗…実際の抵抗値)=0.24Ω(オーム:抵抗値)と言う意味で、
抵抗0.00=100とすると0.24とは24%もの損失が有ると言う意味を数字で表しています(ちょっと大袈裟に分かりやすく書いています)。
物(コンデンサ)として、そこにある以上は抵抗が無いわけはないので0.00=0Ωになる訳は無いのですが、
0.20Ω前後になると正常に電力を供給する事が出来ず今回のような状態になると、これが原因で正常に電源が入らなくなります。
簡単に言うとコンデンサに膨張・液漏れがあると正常に電源が入らなくなったり、突然電源が落ちたりします。
これだけ言いたかっただけで前置きが長すぎました。
コンデンサを正常な物に交換してマザーボードを装着し電源を投入しました。
電源ランプが緑色に点灯し正常に電源が入るようになりました。
BIOS画面
メモリテストも行い、正常にOSが起動・動作を出来る事を確認いたしました。
- 使用年数が数年経過している。
- 使用していると突然電源が落ちる事がある。
- 電源を投入しても一度で電源が入らない事がある。
等々、おかしいな?と思う事がありましたら二度目は気のせいではありません。
二度有ることは三度有りを繰り返していると、大切なデータが破損したり他の部位にも悪影響を及ぼすことがあります。
PCの具合が気になる場合はお気軽にお問合せ・ご利用下さい。
PC修理 「正常に起動しない」の症状は?(修理に関する参考費用はこちら)
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