今回は、レノボのスタンダードモデルであるLenovo G500で電源ボタンを押しても起動しない故障(インジケータが点灯せず、画面も映らない)の修理事例を紹介します。
Lenovo G500の起動しないご相談は多く、その中では、電源ボタンを押してインジケータが点灯したり、ファンの回転音がする症状の割合が高いです。
今回の症状である、インジケータが点灯せずファンが回る音もせず、画面にも何も映らない、何も反応しないという故障もたくさん修理しました。
全く起動しないため、診断は分解から始まります。
まずは、「メモリモジュールの端子清掃」、「内蔵バッテリーを外してCMOSクリア」を実施しましたが、状態は変わりません。
今度は、ACアダプタを接続してマザーボードの電源入力端子に電圧が出ているかを測定します。19Vしっかり電圧が出ているので、ACアダプタからの電源供給は問題ありません。
次は、マザーボード上のチップコンデンサがショートしていないか、テスターを用いて測定していきます。コンデンサは同じ電源ラインとグラウンドに複数個接続されている事が多いので、チップコンデンサが1カ所「ショート故障」していると、同じ電源ラインのコンデンサが全て同じような抵抗値を示します。
測定すると予想どおり、いくつかのチップコンデンサの抵抗値が異常な値でした。
ここからが大変です。顕微鏡をつかって異常な値を示しているチップコンデンサを見ていきます。ひとつひとつ慎重に割れや亀裂などが入っているチップコンデンサがないか探します。
ありました!
今回の場合は、割れが顕著なのですぐに発見できました。このチップコンデンサの容量を確認するために、全く同じ形状の隣のチップコンデンサも外して、容量をチェックします。10μFでしたので、同じ容量の新品チップコンデンサに2個とも交換しました。
交換後に他のコンデンサを測定すると、先程は異常な値だったものが、全て正常値になっていました。もちろん外観も全てチェックしましたが、割れや亀裂などもなく正常です。元どおりに組み立てて電源を入れてみます。
見事!電源が入り、Windowsも正常に起動できました。修理をやっていて一番嬉しい瞬間です。
マザーボードを丸ごと交換すると修理費用が高くなりますが、今回のようなチップコンデンサ交換によるマザーボード修理であれば安価にできて、お客様にもご満足いただけました。
全く電源が入らなくなったパソコンも諦めないで、一度お近くのパソコンドック24のお店にお持ち込みください。
PC修理 「正常に起動しない」の症状は?(修理に関する参考費用はこちら)
PC修理 「動作が遅い・固まる」の症状は?(修理に関する参考費用はこちら)
更新:
公開: