今回は松阪市のお客様から、ヒンジの壊れた富士通ノートパソコンAH45/Mをお預かりいたしました。
ヒンジって何の変哲もない金属の蝶番のようなパーツですが、壊れると本当に困るんですよね。
何せ、本体と液晶パネルを繋ぐ『要(かなめ)』ですからね。人間でいえば『腰』です。腰痛持ちの私にとっては大切さがよく分かります。
前からこのように写真を撮ると何も問題が無いように見えますが、角度を変えてみると、
液晶の背面パネルとベゼルの間に大きく隙間が空いています。
これは背面パネル側に固定されていたヒンジの金具が外れて浮いてしまっているためです。
ちょっと見にくいですが、右の〇内にはネジを止めるためのナットが3か所見えますが、左側は1か所しか見えません。
これはナットを固定するプラスチックの土台ごと割れてしまっているためです。
これは取り外した液晶パネルのカバー(ベゼル)ですが、上と下を比べると、ネジで固定するためのプラスチックの部分が割れて固定できなくなっています。ただプラスチックの一部は残っていますので、これを活用できそうです。
上の画像のワッシャーを削って加工し、先ほどの穴に埋め込みました。これでネジが効きます。
次にヒンジを固定するためのプラスチックの土台部分を修復していきます。まずはピンバイスでネジ穴の中心と思われる場所に穴をあけていきます。
樹脂を流し込んで土台を形成する前に穴をあけておかないと、ヒンジを固定する際に位置をぴったり合わせることができません。
穴をあけたら樹脂を流し込んでナットを固定します。充分に樹脂が固まったら今度は先ほどのピンバイスで開けた穴を目安にドリルで穴を開けます。
画像はドリルで穴を開けた後です。
ヒンジの上からボルトを差し込み、ヒンジと液晶の背面パネルをサンドイッチするようにボルトで固定します。
あとはベゼルをはめ込み、ネジで固定すれば完成です。
このシリーズは設計強度が不足しているようで、時々ヒンジ修理で持ち込まれます。また今回はうまく修理できましたが、状態によっては同じように修理できない場合もあります。
ヒンジ修理は修理自体がオーダーメードとなるため、診断(修理方針の決定)にも修理にも時間がかかります。そのため、お電話やお持ち込みいただいてもはっきりした修理期間や代金を即答することができません。ただ、おおよその目安はご案内できますので、お困りの方がみえましたら一度ご相談ください。
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