名古屋市北区からお越しのお客様に、「”更新して再起動”を行ったら再起動後Wi-Fiに接続できなくなった」というご相談を受けました。通知領域のネットワークアイコンをクリックしてもSSID(Wi-Fiの電波名)が表示されず、ネットワークアイコンも駐車禁止マークがあり、Wi-Fi機能そのものがないことになっています。
NEC GL247F/FY PC-GL247FFAY 動作が遅く無線ネットワーク機能を認識しない
Windows8搭載パソコンですが、無償アップグレード期間にWindows10にアップグレードしてお使いとのことです。
症状
・ログインパスワード入力後真っ暗な画面にマウスポインタ―のみ出現しなかなか進まない
・使用できるようになっても動作がとても遅い
・Wi-Fiに接続できない
動作が遅いのはWindows10に上げたあとからとのことですが、起動が遅くなったりWi-Fiに接続できなくなったりしたのは「更新して再起動」を行ってからのことのようです。
試しに有線でインターネットへの接続を試みたところ、問題なく接続されました。
Wi-Fi機能が搭載されているものならば本来「状態」と「イーサネット」の間に「Wi-Fi」という項目があるはずですが、見当たりません。
更新の適用はかなり時間がかかったそうです。
確認してみると、Windows10のバージョンが2019年8月時点で最新の1903でした。
大型アップデートや、月二回の定例アップデートでも起こりうることですが、Windows Updateが適用されるとWi-Fiに接続できなくなることがあります。
分解:HDD取り出し
裏返してバッテリーを外し左下のネジ二つを外します。
HDDが見えるので左側に引っ張って外します。
詳細診断
HDD
15000時間を超えていますが、ひとまず異常は見当たりません。
ウイルスチェック
マルウェアらしきものが検出され、インストールされたプログラムを確認するといくつか気になるものがありました。
・AutoFixer~Pro~2018
・Boost~PC~Pro2018
・BuyMcAfee
いずれもマルウェアや偽のセキュリティ対策ソフトです。
メモリーチェックテスト
チェックテストはCPUにもある程度負荷がかかるものですが、92~93℃を行ったり来たりしています。
さすがに高温すぎますね。
メモリー自体の異常はありませんでした。
ファンの確認を行うため、ネジを二つ外します。
かなりの埃でした。掃除を行うと埃の塊がいくつも出てきたため、これらが排熱の邪魔をしていたのでしょう。
リカバリーテスト
データ保全を行い、リカバリーを行えるかどうかのテストを行います。
電源投入後、ロゴが出た際に「F2」キーを連打します。
するとBIOS画面が表示されるため、一番右の終了のタブまで移動します。
HDDリカバリーメニューがあるため、選択してEnterキーを押します。
アップグレードされているとWindows8ではなくWindows10と表示されることがありますが、こちらを選択することでWindows8に戻すことができます。
リカバリーを進められます。
Windows8に戻したあとWi-Fi接続を試みましたが、問題なく接続できました。
原因
・Wi-Fi接続ができない→Windows10v1903への大型アップデートによる内部不整合
・起動、動作が遅い→Windows10アップグレードによる不整合、マルウェア感染、排熱不良
もともとはWindows8に合わせて作られたパソコンのためWindows8.1でお使いいただいた方が安定すること、無理にWindows10にするとまた同じことが起こる可能性があることをご説明の上、リフレッシュパックを受注いたしました。
修理:リフレッシュパック
Windows10にアップグレードされて内部のパーティーション領域が書き換えられていることに加えマルウェア感染があったため、一度リカバリーメディアを作成します。
そしてHDD内部の情報を一度全て消し、リカバリーメディアからリカバリーを行います。
こうすることによって内部に変なパーティーション領域が残ることがないため、安心してお使いいただけます。
工場出荷状態はWindows8であるため、Windows8.1にアップグレード後最新の状態までアップデートを行います。
組み戻し・返却
内外部の清掃をしっかり行い、各種機能確認を行って返却です。
Wi-Fiに接続でき、動作も本来の速さに戻りました。
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