修理事例をご覧いただき、ありがとうございます。
パソコンドック24 仙台駅東口店の相沢です。
今回は、「問題が発生したため、PCを再起動する必要があります」という表示でOS(Windows 10)が正常起動しないNEC社製のノートパソコン(VersaPro VK26MD-B)の修理事例をご紹介いたします。
まずは実際に修理に入る前の下準備です。
当店ではOSが正常に起動できない場合、記憶装置(今回の場合HDD)の健康状態を確認した後、完全なバックアップを作成します。
これによって、当店で修復のために様々な操作を試行しても、お客様の大切なデータを失ってしまったり、悪化してしまったりすることを防ぐことができます。
また修理をキャンセルされた場合であっても、お預かりしたそのままの状態でお返しすることが可能です。
単純に「OSが正常起動しない」と言う症状であっても、考えられる原因は多岐に渡り、それを特定するまで様々な修理方法を試します。
具体的な症状を診察するため、お客様の環境をバックアップしたHDDを利用して確認します。
NECのロゴが表示され、その後Windowsロゴは出るものの、正常起動せずにブルースクリーンとなりました。
表示されているメッセージは、
「問題が発生したため、PCを再起動する必要があります。自動的に再起動します。
詳細については、次のエラーを後からオンラインで検索してください. inaccessible_boot_device」
です。
この後、自動的に再起動が実行されて自動修復が試みられますが、修復は成功しません。
Windowsの自動修復でも直らない場合、手作業で原因特定し、ピンポイントで修復や是正を試みます。
「詳細オプション」に進んでチェックを行っていくのですが、セオリーはセーフモードの確認です。
セーフモードはWindowsの起動に最低限必要なもの以外を無効化するモードです。
このモードではOSが起動するときに一緒に立ち上がるソフトウェアも大半が無効化され、Windowsに備わっている機能(例えばネットワーク等)も制限されます。
この状態で起動するなら、
「OS本体は壊れておらず、セーフモードでは動作を抑制される“何か”が、通常時には起動の妨げになっている」
と言うことになります。
今回の場合は、幸いなことにOSがセーフモードで正常起動しました。
つまり、OS本体ではなく、OSに付随して動き出すものが原因となっている可能性が高いです。
いくつかパターンはあるものの、今回は事前にお客様から「特に変なことはしていないのに壊れた」とお聞きしていました。
よく耳にする、
「何もしていないのに壊れた」
と言うワードですが、修理屋にとっては大事な情報です。
つまり、意図的に実施されるものではなく、自動実行されるものでOSが破損している可能性が考えられます。
その中でもよくあるのはWindows Updateの自動更新です。
最近のWindows UpdateではOSだけでなくWindows製のソフトウェアやセキュリティから、デバイスドライバと言われる機器制御用のソフトウェアまでも自動更新されます。
それらをチェックしていくと、デバイスドライバに「!」マークが確認できます。
デバイスドライバが何らかの理由で不具合や誤作動を起こすと、OSが機器を制御することができなくなり、正常起動しないこともあります。
これがOSの起動を妨げているのであれば、アンイストールしてしまえば起動するはずです。
想定通り、正常起動しました。
後は、Windows Updateをやり直し、アンインストールしたデバイスドライバの代わりに適切なデバイスドライバをインストールして修理完了です。
今回は、故障前のお客様がご利用していた環境に修理することができました。
システム故障の場合、単純にOSを再インストール(初期化)したり、リカバリー(工場出荷時の状態)したりするのは簡単で早い修理方法ではあります。
しかし、それではお客様が使っていたソフトウェアの再インストール、メールやプリンターの設定などをやり直さなくてはならない手間や煩わしさがあります。
当店ではお客様にとって何が最善か考え、技術的に可能な限り、今回のように故障以前の状態に戻す修理も行っております。
メーカー修理等で初期化が必要と言われたパソコンであってもお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
PC修理 「正常に起動しない」の症状は?(修理に関する参考費用はこちら)
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