こんにちは。
パソコンドック24 平塚店、店長の中塚です。
今回は、catalinaにアップグレードしたら、カーネルパニックを起こして起動できなくなったiMacの修理事例です。マシンは、iMac27 Late 2012です。
お客様がおっしゃるには、最近の数ヵ月分のバックアップが取れてないとの事で、データ優先で修理をしてほしいと、ご依頼いただきました。
<現状の診断>
まずは、マシンの状態を診断することが大切です。
当初は、よくあるケースかな?と、想定しつつ、お持込いただいたマシンをみると、なんとFusionドライブ!仕様のiMacでした。
詳しくは、検索していただければわかりますが、要は、速く動作させるmacの仕組みのひとつと考えるとわかりやすいです。イメージでいうと、高速なSSDドライブと、従来のHDDの利用するシステムです。
上記のように、2つのドライブを1つのMacintosh HDDにして、よく使うデータをスピードの速いSSDで利用して、動作を早くする仕組みです。
メリットは、コストを抑えて、高速化が可能。
デメリットは、2つのドライブのうち、1つが壊れると、復旧がかなり難しく、最悪データが取れなくなることです。大切なのは、タイムマシンバックアップが必須ということです。
今回は、アップグレードのタイミングでカーネルパニックが出たとの事でした。セーフモードでも起動ができないので、Fusionドライブに障害がでたようです。また、タイムマシンがうまく動いていないようで、データ最優先で作業が必要になりました。
<修理方法の決定>
お客様は、お仕事でご利用との事で、データの安全性を考慮して、Fusion構成をやめて、大容量の高速なSSDに入れ替えることにしました。
イメージでいうと、
と、いう感じです。このパターンなら、今回のようなFusionの危険性は薄まり、かつ、全体が高速化されるので、メリットが大きくなります。
お客様に、ご了承をいただき、修理を進めることになりました。
合わせて、バックアップの再整備もご案内しました。
<Fusion利用の機器の取り外し>
これが、結構大変です。
まずは、iMacのガラスを外します。これは、すぐ割れてしまうので、慎重に行います。
いきなり、ガラスがない写真ですが、慣れないと結構大変です。
ちょっと力加減を間違えると、すぐわれたり、画面にノイズが入ってしまいます。
黄色い〇がHDD→これは、すぐ外れます。Fusion利用のSSDは、赤い丸のところで、基板の裏側にあります。
ついでに、埃がすごいので、クリーニングしなら、分解を進めていきます。
やっと、基板がはずれました。外した基板がこれです。
裏返しすると、
赤丸がSSDです。ちなみに、赤い四角く囲ったところはメモリになります。
最終的には、HDD部分にSSDを組み替えて機器の交換作業はおしまいです。
最後に、ガラスの再取り付けがありますが、これは、何回やっても、神経を使います。
iMacは、強力な専用の両面テープで取付するので、ガラスの位置決め、配線のはずれなども注意する必要があり、間違えると、テープをやり直すのが、とても大変です。
なんとか、無事に取付が完了しました。
<データの取り出しと、復旧作業>
今回は、バックアップ>移行アシスタントが不可能なので、分解前に、専用ツールで、個別のドライブからデータを抜きました。
幸いにデータ自体は問題なく、無事復旧させることができました。
最初は、データ無理かな?とおもいましたが、とても、ラッキーな事例でした。
最後に、お客様にデータをご確認いただき、納品です。
仕上げ作業が必要だったのですが、お客様が、お急ぎで、かつ、Mac操作に、ずいぶん慣れていらっしゃる方なので、仕上げ作業のやり方だけご案内して終了です。
今回も、無事直って何よりです。
いつも使っているパソコンが動かなくなると、焦ってしまいます。
もし、パソコン関係で、お困りの場合はお気軽にご相談ください。
お客様のご利用用途に合わせて、いろいろな案をご案内いたします。
iMac 「正常に起動しない」の症状は?(修理に関する参考費用はこちら)
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