北名古屋市の方のご依頼で、Windowsの「更新してシャットダウン」を選択して終了を待たずに画面を閉じた後、起動時にパスワードを入れる枠が表示されなくなった富士通のFMVA77C2L(AH77/C2)。
更新中に電源を落とすのはWindows破損の原因ともなるので、とても危険です。
しかし、今回はそれだけではなくメモリー故障が大きな原因でした。
分解・診断
このパソコンの通常メンテナンスは簡単に行えます。
ネジを一つ外して手前の大きい蓋を外し、レバーをスライドさせてバッテリーの取り外しをおこないます。
バッテリーの隣にM.2のSSDと2.5インチのHDDが取り付けられています。
SSD・HDDともに正常で、ウィルスなども検出されませんでした。
メモリーテストで大量エラー
次にメモリーのテストをおこないます。
すると、大量のエラーが検出されました。
メモリーは4Gを2枚使用していますが、そのうち1枚が故障していました。
メモリーを交換してメモリーテストは正常終了しましたが、相変わらずログインができません。
Windowsが一部破損しているようです。
復元ポイントがない
セーフモードの起動を試しましたがやはりパスワードを入れる枠が表示されません。
次に「復元」を試しましたが「復元ポイントがありません」となってしまいました。
こうなってくると通常はリカバリーをすることになります。
起動時マルウエア対策の無効化
セーフモードでも起動できないときに試せることがもう一つあります。
回復環境から「スタートアップ設定」を選んで、その中の「8.起動時マルウエア対策を無効にする」で起動させます。
F8か数字の8を押して起動させます。
セキュリティソフト関係のエラーで起動できないときに有効です。
この操作によりパスワードの入力が出来て、デスクトップ画面にたどり着くことが出来ました。
しかし再起動をしてみると、結局ログインはできません。
Windowsの修復インストール
「8.起動時マルウエア対策を無効にする」で起動できて操作も可能なので、Windows10の上書きインストールをすることにします。
修復インストールは本来、同一バージョンのWindowsを起動した状態からインストールをし直すことを言います。
今回起動したバージョンはWindows10 v2004だったので、v20H2へのアップグレードインストールをすることにしました。
Windows10が起動した状態で、Windows10 v20H2のUSBインストーラーを挿してSetup.exeを起動します。
インストールが終了してv20H2となりました。
この後の再起動では、通常通りパスワードでのログインが出来るようになっていました。
起動・ログイン後には、Windowsアップデータとメーカーのアップデータを当てて最新の状態まで調整も終了です。
修復インストールは残念ながら「セーフモード」ではおこなうことができません。
「8.起動時マルウエア対策を無効にする」ではマルウエア対策の無効化以外は通常操作が可能なので、修復インストールができます。
ただし、過去の経験ではキーボードやUSBポートなどの使用ができないことがあったので試してみないとわかりません。
うまくいけばWindowsの機能が正常化しますので効果はありますね。
Cドライブが3.5Gしか空いていない
正常起動して気付いたのは、Cドライブの空き容量が3.5Gしかないことです。
バーが真っ赤です。
この状態だと、空き容量不足でWindowsのアップデートができなかったり、OSの一時ファイルの書き込み不良でWindowsが不安定になったりします。
とりあえず「ディスクのクリーンアップ」をしておきます。
終了後は13.5Gの空き容量となりました。
SSDの空き容量は多めに確保が原則
Cドライブの空き容量は13.5G確保できてOSの動作には問題がなくなりました。
でも、SSDほ空き容量が少なくなると寿命が短くなってしまいます。
できれば40G程度の確保が望ましい。
空き容量が少ないと、同じ場所にデータを頻繁に書き込むためにチップの「セル」の寿命が短くなっていきます。
その予防のため、オーナー様のユーザー保存データをDドライブ(HDD側)に移動していただくようお願いをしておきました。
快適にお使いくださいね。
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