名古屋市西区お客様のご依頼で、チェックディスクと修復を繰り返す「NEC PC-NS700NAR NS700/N」の修理とデータ救出をおこないます。
IntelのOptaneメモリーを使用してシステムを高速化したモデルです。
Optaneメモリーを搭載したパソコンで起動ができなくなると重大な障害を起こすことがあります。
今回もHDDのデータにアクセスできないという問題を起こしていました。
Optaneメモリー+HDD 1T
最近のパソコンに多い、裏蓋のネジを全部取れば裏蓋全体が外れる構造です。
左下にHDDがあり、右の方にあるのがM.2タイプのOptaneメモリーです。
通常、HDDにWindowsシステムがインストールされていて、OptaneメモリーはRAID構成でキャッシュメモリーとして動作します。
これにより、システムがSSD並に高速化がされるようになります。
本来はHDDにシステム（Windows）があって、HDDだけを取り外しても問題なくデータ救出はおこえます。
ただ、OptaneメモリーのシステムはHDDとOptaneメモリーをRAID構成で一つのドライブとして扱いますので、トラブルを起こすとデータ自体が消えてしまうことがあるのです。
HDDが認識しない・データ復旧
HDDを取り外して作業用パソコンに接続したところ認識をしてくれず、ディスクの管理でもHDDそのものが表示されません。
でも、「ラピッドストレージ・テクノロジー」では表示が出ました。
SATAポートでは物理的に接続していますが、「非互換」の表示となっています。
コピーを取ったHDDでも同様なので機械的に故障して認識できないわけではなく、ディスク上の書き込み形式が読み取れない状態になっているようです。
HDDであればこういった場合でも磁気データは残っているはずですので、認識させるためにハードウェア消去での先頭部消去をしてみます。
コピー済みHDDで作業となります。
これにより空のHDDとして認識ができましたので、データ復旧の作業をしていきます。
「ユーザーの保存データ」と「リカバリー用データ」が復旧できました。
リカバリーメディア作成
HDDはまともに認識しないため、当然ハードディスクからのDtoDリカバリーはできません。
リカバリーメディアも保管されていない状況なので、取り出し済みのデータから独自にリカバリーUSBメディアを作成していきます。
このUSBメディアで、購入時状態への完全リカバリーが可能となります。
☆救出データからのリカバリーメディア作成は、当店独自の作業ですのでご注意ください。
今回のご依頼では、Optaneメモリーを外してHDD単体でのリカバリーを希望されています。
起動スピードなどは格段に遅くはなりますが、安全性を重視しての処置となります。
OptaneメモリーとHDDの両方接続しないとリカバリーができない
NECのOptaneメモリー搭載機の場合、リカバリーをすると初期状態でRAIDが有効になりOptaneとHDDを1グループのドライブとして認識します。
そのため、OptaneメモリーとHDDの両方を取り付けないとリカバリーはおこなえません。
HDD単体やM.2 SSD単体でリカバリーした場合、起動ができなくなります。
特にM.2 SSD単体にOSをインストールするときは、Windows10のクリーンインストールが必要となります。
【参考・M.2 SSDクリーンインストール記事】
「NEC PC-NS700NAR-E3 NS700/NAR Optaneメモリーでの起動不良」(名古屋・庄内緑地公園店オフィシャルページ・ブログ)
今回の修理はHDD単体での運用となりますので、HDDとOptaneメモリーを両方取り付けてリカバリーをした後にOptaneメモリーを取り外すという手順を取ります。
リカバリーなので標準環境でソフトも元に戻るのがメリットですね。
HDDは「非互換」状態を解消するため全体消去をしておきます。
OptaneメモリーとHDDを取り付けた上で、作成済みのUSBリカバリーメディアから起動させます。
リカバリーは正常に終わり起動ができるようになりました。
Optaneメモリーの取り外し
Optaneメモリーシステムの場合、Optaneメモリーを単純に取り外してしまうと起動できなくなります。
取り外す前に、「インテル・ラピッドストレージ・テクノロジー」を起動させてOptaneメモリーの無効化をおこないます。
写真右側の部分が連結状態でなくなれば終了で、HDD単体で起動可能になります。
この状態になってから電源を切りOptaneメモリーを取り外します。
HDD単体起動ができるようになりましたので、アップデート・調整をおこない機能確認の上で終了となりました。
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