名古屋市西区からお越しのお客様より、「ヒンジが割れ、その後も使っていたが電源が入らなくなった」とご相談いただきました。
パソコンを閉じたあと、再度開いて電源を入れようとしたら入らなくなっていたそうです。
Lenovo G50-30 Type 80G0 電源ボタンを押してもランプが点灯しない
8年ほど前に発売されたCeleron搭載のWindows8.1モデルです。
Windows10にアップグレードされた上でお使いでしたが、動作が遅く、更に電源が入らなくなってしまいました。
電源ボタンを押すとカチッと押下の感触がありますが、ヒンジ割れの関係で押せなくなってしまっているのでしょうか。
分解:HDD
バッテリーを外し、3個のネジを取って蓋を下にずらします。
ファンレスモデルですね。
HDDは左下にあるので、4個のネジを外し左方向へ抜き取ります。
HDDステータス:正常・ウイルス検出
7000時間ほど使用されていますが、不良セクター検出はありませんでした。
ただし、データ保全をした上でウイルスチェックをしたところトロイの木馬という悪質なウイルスが検出されました。
遅いのは元々のスペックに加えWindows10へアップグレードされていることと、ウイルス感染が原因のようです。
ヒンジ部まで分解
分解を進めていきます。
裏面に見えるネジを全て外し、光学ドライブを抜き取ります。
裏蓋の下、光学ドライブを留めているネジのすぐ横に封印シールがありますが、その下のネジも取る必要があります。
キーボードを外します。
キーボードの「1(ぬ)」キーが押しっぱなしになる不具合があるとのことでしたが、左下あたりに飲料痕のようなものが見えますね。
こちらが原因でしょうか。
電源ボタンとトラックパッドのフラットケーブルを抜き取り、パネルを外します。
ヒンジ割れ・電源ジャックケーブル断線
ヒンジに関してはネジ受けが全て破損し、完全に浮き上がってしまっています。
また、電源ジャックのケーブルが何本か断線した状態になっています。
電源が入りにくいときがあったそうなので、その頃から切れかかっていたのでしょう。
ケーブルがヒンジの上を通っているため、浮き上がったヒンジが圧になり切れてしまった可能性が高いです。
断線してしまったためバッテリーへの給電ができなくなり、バッテリーの充電も切れてしまったために電源が入らなくなったようです。
電源ジャック交換で電源投入可
電源ジャックの中古在庫に合うタイプのものが見つかったため、交換してからACアダプターを接続して電源を入れてみると無事電源が入りました。
電源ボタンの異常ではなかったようです。
メモリーのチェックテストを行いましたが、こちらに異常は検出されませんでした。
修理取り止め
見積をお出ししましたが、使用年数や金額などから修理を取り止めることになりました。
ヒンジ割れは完全に浮き上がったりヒンジが飛び出したりして、閉じられなくなるレベルになってからご相談をいただくことが多いですが、割れが進行すると今回のように他の部分に影響する場合があります。
軽度であれば特殊固定剤のみで補修可能ですが、酷くなるとボルトでの固定になったり、バックパネルや上半身を丸ごと交換する必要が出てきます。
参考記事
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Lenovo ideapad 520 ヒンジ破損が原因で液晶割れ(名古屋・庄内緑地公園店オフィシャルブログ)
特に2本目の記事は液晶交換とバックパネルまで行っています。
そうなると高額修理になりやすいので、なんだかおかしいな? という段階でご相談いただければ幸いです。
ヒンジ割れを起こさないためには
ヒンジ割れの原因は主に「開け閉めの方法」にあります。
ノートパソコンを開く際、画面の右端や左端のみを持って開く方が多いです。
そうすると片方のヒンジにテンション(圧力)がかかり、そちら側にばかり負荷がかかって歪みやすくなります。
その結果、回転部が固くなったりネジ受け部が歪んだりして割れてしまうのです。
もちろん設計段階でヒンジの強度が足りない場合もあります。
一時期同じモデルでのヒンジ破損をたくさん見ました。
ノートパソコンを開く際は上下の真ん中を持ち、両方を支えながら開けるようにするとヒンジへの負荷が少なくなります。
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