清須市からお越しのお客様より、「電源ボタンを押すとランプは点灯するが先に進まない」とご相談いただきました。
画面が明るくなることはなく、店頭で調べてみるとACアダプターは正常でした。
お話を伺うとアダプターを常時差したままで利用されていたそうです。
Lenovo ideapad S340-14IIL Type-81VV ランプ点灯のみ
小型軽量モデルのノートパソコンです。
ある日電源を入れようとしたら入らず、電源ボタンのランプが点灯するのみという状態になりました。
確かに電源ボタンの白いランプは点灯しますが、それ以外に反応はありません。
こういった症状ではACアダプター(充電器)を差したまま利用されていることが多く、今回のお客様もそうでした。
バッテリーが100%になってからも充電しているとバッテリーに負荷がかかり、バッテリーの寿命が短くなります。
スマートフォンの利用方法でよく耳にすると思いますが、ノートパソコンに使われているバッテリーも同様です。
今回はお客様ご自身でバッテリーコネクターを抜いてみたものの回復せず、当店にお持ち込みいただきました。
分解:バッテリー・SSD・CMOSバッテリー
バッテリーコネクターを抜いたあとしばらくしてから元に戻したが回復しない、というお話でしたので、そういった場合はCMOSバッテリー(日時設定などを保持するボタン電池)まで外すと回復することがあります。
しかし、CMOSバッテリーが存在せず通常のバッテリーのみで設定を保持している場合もあるので、確認も兼ねてお預かりすることになりました。
まずはデータ保全のためSSDを外します。
全て星型のトルクスネジですので、対応ドライバーで外します。
まずはバッテリーコネクターを抜き取ってSSDを外します。
一度この状態で電源が入らないか試みましたが、お客様がすでに試されているとおり状態は変わりませんでした。
左上にCMOSバッテリーがあったので、ケーブルコネクターを抜き取り一晩そのままにしておいて放電とリセットを行います。
SSDステータス:正常
SSDは2%ほど数値が減っているものの正常範囲内です。
しかし、空き領域がそろそろ20GBを切りそうでした。
SSDはHDDに比べて総容量が少ないことが多く、空き領域が少なくなりがちです。
ですがWindowsの大型更新は20GB近く書き込むこともあり、更新ができなくなることもあります。
更に空き領域に仮データを書き込んでWindowsを動かすため、その部分の寿命が短くなってしまいます。
最低でも50GB、できれば100GBほど常に空いているのが望ましいですね。
容量の少ないSSDでは、ソフトウェアのみにして写真や書類などのデータは外付けHDDなどに逃がしておくと安心です。
放電回復
一晩経ったのち、ボタン電池のコネクターのみ戻して電源ボタンを押してみると画面が明るくなりメーカーロゴが表示されました。
設定がリセットされているので日時を修理時点の状態に直し、再起動をしてみても問題ありません。
まずはその状態でメモリーチェックテストを進め、異常がないかどうかを確認します。
その後SSDを差した状態でのWindows起動も確認できたのでバッテリーを確認すると、充電もされておりバッテリー故障はなさそうでした。
高速スタートアップ・One Key Battery解除
まずは「【電源が入らない】DELL Inspiron5300 分解放電→回復」でも行った高速スタートアップの解除を行い、毎回ゼロ状態から起動するように設定します。
今回の機種もSSDですので、起動やシャットダウンの時間にはほぼ影響しません。
それから、各種状態の確認をしているときに気付いた「One Key Battery」という設定も解除しておきます。
電源が入っていない状態でキーボードキーのいずれかを押すとバッテリー残量が表示される設定です。
意図せず触れても残量が表示されるので、バッテリーの負荷を下げるためにも解除しておきます。
電源投入直後にキーボードのF2キーを連打し、BIOS画面に入ります。
「Configuration」タブ内にある「OneKeyBattery」項目を、「Enabled」から「Disabled」に変更し保存します。
内外清掃・返却
バッテリーだけでの起動も確認できたので、内部清掃をしてから元通りに組み戻します。
外部清掃も行い、SSDの空き容量の件をお伝えして返却です。
バッテリーの残量は通常タスクバーの右端で確認することができます。
残量が少なくなってきたら充電し、100%になったらアダプターを抜くようにするとバッテリーが長持ちするので、なるべくバッテリーだけで使用する時間を持ってあげましょう。
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