岩倉市からお越しのお客様より、「パソコンが水没してしまった」とご相談いただきました。
鞄の中でペットボトルの蓋が開き、ほぼ全てのお茶がこぼれてしまっていたそうです。
mouse W5525U2 PCMN7450W7MH 電源が入らずランプも点灯しない
Core i7が搭載されたWindows7ノートパソコンです。
Windows7のままで使用されており、内部のデータがとても大切とのこと。
できればこのまま使えるようにしたいということで、データ復旧を視野に入れつつ水没洗浄を行うことになりました。
分解:HDD
バッテリーを外し、裏面左下にある蓋のネジを2個外します。
HDDがありました。
左方向へ引き抜きます。
HDDステータス:正常
HDD500GBは正常で、濡れているところもありませんでした。
データ保護のため、環境保全を進めます。
ウイルス検出
診断の過程でウイルスチェックを行うと、いくつかのマルウェアが検出されました。
サポート終了OSであるWindows7でインターネット接続をされていたそうなので、そのあたりが関係しているかもしれません。
分解:マザーボード
洗浄のため、完全分解に入ります。
このノートパソコンはケーブルの通り道が複雑で、分解難易度が他のものに比べて高いです。
HDD右側の蓋と光学ドライブ固定ネジを外し、両方とも取り外します。
右下のプラスチック部に水滴がありましたが、こぼれたお茶の量の割には内部は濡れていませんでした。
FAN・ヒートシンクも外さないといけないため20個超のネジを外しますが、向かって右側のヒンジネジが外れません。
受付時に開閉が固かったこともあり、ヒンジネジ受け割れの可能性が出てきました。
液晶ケーブル・スイッチケーブル・Wi-Fiケーブル・キーボードとマウスケーブルを全て外します。
キーボードはトップケースと一体のため、ケーブルに気をつけながらトップケースを外します。
(この段階ではヒートシンクやFANを外していないため、写真にFANが写っています)
次に、ヒンジ固定ネジと青丸で囲ったケーブルを外します。
やはりヒンジネジ受けが破損していました。
ネジ受けを抑えながらネジを外します。
スピーカーケーブル・USB基板ケーブルを外し、5個のネジを外します。
ここまで来てようやくマザーボードを外せました。
水没洗浄
基板とトップケースをキーボードごと洗浄しましたが、ランプ点灯もしない状態からは回復しませんでした。
マザーボード補修になると高額になることと、マルウェア感染やヒンジ割れなども含めると更に修理費用がかさむため、10年ほど前の古い機種ということもあり今回はデータ救出のみで承ることになりました。
データ救出
デスクトップやドキュメントを含め計194GBほどのデータを無事救出することができました。
外付けHDDを持ち込まれた際にデータをご確認いただき、了承の上で持参メディアへコピーします。
水没はコップやラーメンカップを倒してしまったというものから、今回のように鞄の中で飲料がこぼれたというお話もあります。
荷物は増えてしまいますが、電機製品類と飲料は分けて持ち歩くようにすると安心ですね。
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