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【BitLocker回復】回復キーの入力を求められる ASUS TM420IA

カテゴリー :Windowsトラブル パソコンが起動しない パソコン修理

こんにちは。パソコンドック24 名古屋・庄内緑地公園店 です。

BitLocker回復

名古屋市西区からお越しのお客様より、「BitLocker回復という画面になりWindowsが起動しない」とご相談いただきました。
BitLockerをかけたことはないとのことで、工場出荷時から暗号化されている機種のようです。

ASUS VivoBook Flip14 TM420IA-EC163T  かけた覚えのないBitLocker暗号化で起動しない

TM420IA-EC163T

AMD Ryzen3 4300U搭載の14インチノートパソコンです。

回復キーの入力

電源を入れるとメーカーロゴのあと「BitLocker回復 このドライブの回復キーを入力してください」と表示され、Windowsが起動しません。
BitLockerはファイル保護の暗号化で、機器故障やOS破損、環境変更などで回復キーを求められる可能性があります。
Windows Updateの失敗などでも発生する可能性があるため、BitLocker回復キーが手元に存在すればまずは入力してみるのが先決です。

Microsoft アカウント

しかしお客様が記憶されていたMicrosoft アカウントにはデバイス登録がされておらず、回復キーの確認ができませんでした。
BitLockerがかかっている以上OS修復やロールバックも不可能なため、回復キーが見つからない場合はOSを再インストールするしかありません。
幸い救出したいデータはないということで、内部環境を消去しWindowsのクリーンインストールを行うことになりました。

分解:SSD

裏面分解

裏面10個のネジを外します。

TM420I 内部写真

赤枠の金属板の下にSSDが存在するので、先にバッテリーコネクターを外します。

バッテリーコネクター

金属の固定ラッチを上方向へずらします。

バッテリーコネクター取り外し

コネクターを上へ引き抜くことで取り外しが可能です。

SSD

金属板と固定ネジを外し、SSDを取り外します。
仮組みしてメモリーのエラーチェックを行いましたが、こちらは異常ありませんでした。

SSDステータス:正常

SSD正常

使用時間は短く、パーセンテージも低下していません。
暗号化のためウイルスチェックはできませんでしたが、これで機械故障ではなくOS破損ということが明らかになりました。

Windows11クリーンインストール

SSDの内部環境を完全消去し、内部清掃後組み戻してWindows11のクリーンインストールを進めます。
ローカルアカウントでのセットアップを行うためコマンドプロンプトを起動しようとしたところ、以下のポップアップが出現しました。

コマンドプロンプト起動不可

どうやらWindows Sモードで発売された機種のようです。
SモードはMicrosoft Store経由でしかソフトウェアがインストールできない、機能制限版のOSバージョンです。
一部機能が制限されるため高速化を図ることが可能ですが、その分自由度はかなり減ります。
しかもNVMe SSDという高速タイプのSSD搭載のため、Sモードである必要は全くありません。

コマンドプロンプトを起動しての設定ができないため、今回は「【Windows11 22H2】ローカルアカウントでセットアップ」内の「22H2でローカルアカウント【既存アカウントのロック】」を利用してローカルアカウントセットアップを進めました。

ドライバーがインストールできない

ドライバーインストールすらできません。
まずはSモードを解除する必要があります。

Windows Sモード解除

システム画面

設定を開き、「システム」内の「ライセンス認証」へアクセスします。

S mode

Windows 11 Home in S modeとなっていますね。
「Sモード」タブを開き、「Microsoft Store を開く」をクリックします。

Sモード解除

「Sモードから切り替える」という画面が表示されるので、「入手」をクリックします。
Microsoft アカウントの入力を求められるので、既存のアカウントを入力しました。

Sモード解除成功

「Sモードをオフにした」と表示されれば成功です。

Windows11 Home

「in S mode」の表記が消えました。

ドライバーインストール

ドライバーインストールも進められるようになりました。
それにしても、ドライバーはともかくコマンドプロンプトはWindows標準機能なのに検証済みではないというのが納得いきません。

BitLocker暗号化解除

BitLocker暗号化解除

購入当初から暗号化されているモデルは、クリーンインストールでもBitLockerがかかります。
トラブル再発防止のため、解除しました。

Windows Update・BIOSアップデート

更新適用やEdgeの設定、PDFリーダーのインストールを進めます。

BIOSアップデート

BIOSアップデートも行いました。

外部清掃・返却

修理完了

こういったBitLocker関連での相談は少なくありません。
暗号化がかかっていると修復ができなかったりデータ復旧で躓いたりと、修理業者としても困ることがあります。
必要な人だけが暗号化できるよう、初めからBitLockerをかけるのはやめてほしいものです。

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