こんにちは。パソコンドック24 阿倍野店 です。
気温も少しずつ夏らしくなってきた今日この頃、店舗には珍しいご相談をいただきました。お持ち込みいただいたのは、富士通製ノートパソコン「FMV-BIBLO NE6/700B」
今ではすっかり見かけることが少なくなった、レトロPCとも言える機種です。
お客様からは「電源は入るけど、画面が真っ赤で、カタカタ音がする。起動しなくなってしまったので、中のデータだけでも取り出してほしい」というご依頼でした。
詳しくお話を伺うと、購入されたのはなんと24年前とのこと。
思い出の写真や、当時のお仕事に使っていた文書ファイルが入っており、どうしてもあきらめきれずに、当店へ足を運ばれたそうです。
当店では、たとえ起動しない古いパソコンでも、可能な限りデータの取り出しを試みるという方針のもと、多くのご相談を承っております。
今回も、お客様の大切なデータを救い出すべく、慎重に診断と分解作業を進めてまいりました。
お持ち込み時の状態
お客様がお持ち込みになった機種は、富士通 FMV-BIBLO NE6/700B。
2001年頃に発売されたノートパソコンで、当時はインターネットの普及が加速し始めた時代。時代の流れを感じるモデルです。
パソコンの外観は比較的きれいに保たれていましたが、内部の劣化は避けられず、以下のような症状が確認されました。
・電源は入るものの、富士通のロゴから先に進まない
・本体内部から「カタカタ」と断続的な異音が発生
・画面全体が赤みがかって表示される
こうした症状から、主に以下のような問題が考えられました。
・HDD（ハードディスクドライブ）の劣化や物理的な故障
・液晶ディスプレイやバックライトの劣化
・マザーボードや内部パーツの経年劣化
今回はパソコン本体の修理ではなく、HDD内のデータ救出が主目的。
動作は不安定でも、一時的にでもHDDが認識できれば、必要なデータが取り出せる可能性があります。
詳細診断と分解作業
このFMV-BIBLO NE6/700MBは、発売から24年が経過したモデル。
この世代のノートパソコンは、分解時にプラスチックパーツが非常に脆くなっているため、慎重さが求められます。
まずは黄枠のバッテリーを取り外し、次に赤丸のネジ3本を丁寧に外していきます。
内部には2.5インチIDE接続のHDD（容量20GB)が搭載されていました。
IDE接続は現在ではほとんど使われていないため、変換アダプタを用いた特殊な作業が必要になります。
データ救出作業
取り出したHDDを検証用PCに接続。
しばらく異音が続いていましたが、慎重に待った結果、無事にドライブとして認識されました。古いHDDは非常にデリケートなため、急な操作は避け、ゆっくりとフォルダ構成を確認しながら、ファイルを少しずつ読み出しました。
「My Documents」や「Photos」フォルダには、家族の写真や重要な文書ファイルが保存されていました。
不良セクタも見つかりましたが、専用ツールを用いて可能な限り回避しながらデータを抽出。
作業完了とお客様へのご説明
取り出したデータをUSBメモリにコピーしてお渡ししたところ、お客様からは「本当にありがとうございます」と繰り返し感謝のお言葉をいただきました。
「もうダメかと思っていた」と安堵の表情で笑顔を見せながら、お帰りになりました。
今後の備えとして
今回のように、パソコンが起動しなくなっても、HDDさえ生きていればデータは救出できる可能性が高いです。
ただし、古いHDDはいつ壊れてもおかしくありません。10年以上使用している場合は、早めのバックアップを強くおすすめします。
大切なデータがある場合はUSBメモリ、外付けハードディスク、クラウドサービスなど「複数の場所に」定期的にバックアップをお勧めします。ご自身でのバックアップが難しい場合は、ぜひお近くのパソコンドック24までご相談くださいませ！
今回は、起動しなくなった富士通 FMV-BIBLO NE6/700MBからのデータ救出事例をご紹介しました。
パソコンが動かなくなっても、データはあきらめないでください。
当店では、今回のようなご依頼も日々多数対応しております。
同じようなお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、また次回のブログでお会いしましょう。ありがとうございました。
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