今回は、起動や動作が遅くなったノートパソコンのCPU交換、メモリ交換の作業です。
「ネット通販にて中古PCを購入したが、動や動作が重い」という症状のパソコンで、メモリ交換・CPU換装(交換)を行いました。
機種はNEC製のノートPC LS150/B(Celeron 1.86GHz 2コア/2スレッド メモリ1GB)
まず現時点での性能を確認してみます。せっかくのWindows 7 64bitでメモリ1GB…。そのうえCPUがCeleron。なかなかアンバランスな構成です。販売時にメモリを減らし価格を抑える意図があったのでしょうか。
HDDの速度は正常ですが如何せんメモリの少なさとCPUの性能不足で起動直後のもたつきの長さ、シャットダウン時間も長くストレスが溜まりそうです。
メモリ容量が極端に少なかったりCPU性能が低かったりするとWindows Updateすら正常に完了できずいつまでもデータの読み込みが続き動作が重い状態が続いてしまったり、酷いと失敗してOSの起動不良におちいる可能性があります。
ということで早速本体の裏フタを開け改造手術を開始します。
この機種は蓋一枚を外すだけでCPU、メモリ、無線モジュールまで確認できます。
搭載されていたメモリです。1GBメモリが一枚刺さっていました。4GB、8GBが標準搭載という機種も多い今日このごろでは心もとないメモリ容量です。
まずはメモリを1GB→4GBへ交換します。
スロットが空いているからといって容量もメーカーもロットも無視して1GB+4GBで使用しようとすると最悪起動しなかったり後々ブルースクリーンの嵐に巻き込まれシステムを壊してしまうこともありますので極力避けたほうが無難です。以前からするとメモリ相性問題は少なくなってきてはいますが、いざ当たってしまうととても辛い思いをします…。(経験者談)
以前の4倍の容量へメモリが増えたことによりネットサーフィンや動画再生各種アプリの動作が安定・高速化が見込めます。
また搭載メモリを増やすことで多くのアプリを同時に開いたときのカクつきやフリーズを起こりにくくする効果もあります。
続いてCPUを交換していきます。CPUクーラーの固定ネジを外していき、冷却ファンのケーブルを抜いておきます。
筐体に引っかかけてフィンを曲げたり、ヒートパイプを曲げたりしないよう注意し取り外します。
ここでは画像はありませんがヒートシンク部分からファンを取り外しファン内部とフィンの間に溜まっているホコリをエアダスターで吹き飛ばし清掃します。
写真中央に見える四角形の物がCPUです。冷却用のグリスが塗ってあるので気づかぬうちに手に付いてしまって筐体を汚してしまわないよう注意します。
書道の時間に墨が気づかぬうちに手や腕、肘に着いていた方は要注意です。ちなみに僕は二の腕まで付いていたことが有りました。
CPUソケット上部にあるロックをマイナスドライバー等で回してアンロックしてCPUを取り外します。
CPUの裏には繊細なピンが剣山のように並んでいます。落としてしまったりむやみに強い力をかけてしまうと簡単に曲がってしまうため取扱に注意が必要です。
ここで取り外したCPU Celeron (1.86GHz 2コア/2スレッド)をCore i5(2.26GHz ターボブースト時2.53GHz 2コア/4スレッド)へ交換していきます。
Celeronを取り外した逆の順番でCore i5を取り付けていきます。
ピンソケットにすべてのピンが無理なく入るようにソケットへCPUを取り付け、最後にロックを回します。
交換したCPUにグリスを塗布していきます。
ヒートシンクとコア部分の熱伝導率を高める(熱を逃しやすくする)役割があるため多すぎず少なすぎず適切な量を塗っていきます。
専用ヘラでコアの上に盛ったグリスをまんべんなく伸ばしていきます。
表面はあまりきれいにならさなくてもCPUクーラーを取り付けたときに自然に伸びるのでこのぐらいで大丈夫です。
取り外していたCPUクーラー側のグリスもきれいに拭き取ります。
ごみや古いグリスの拭き残しがあると冷却性能が落ちてしまうため、できる限りきれいにしておきます。
CPUクーラーをもとに戻し固定ネジを締めていきます。
対角線に徐々にネジを締めていきCPUグリスが偏り無く伸びていくのをイメージしながら締めていくとGoodです。
裏フタを閉めて早速起動チェックです。
無事OSの起動が確認できました。既にこの時点で起動の高速化が体感できました。
OS側がCPUを認識しドライバーの自動インストールが実行されますので一度再起動します。
再起動後、システム詳細を確認してみるとしっかりCore i5とメモリが4GB認識されていました。
(3.80GB使用可能)とあるのはGPU(グラフィック機能を司るチップ)とメモリを共有しているためこのような表記になります。
Windows 7が搭載されたパソコンの性能を1.0から7.9の間で計測するシステム評価ツール「Windows Experience Index」にてどのくらい性能が上がったか確認してみたところCPUが1.0ポイント、メモリが2.0ポイント、ゲーム用グラフィックスが0.1ポイントそれぞれ性能アップしていました。
CPU交換前
CPU交換後
タスクマネージャを立ち上げCPU交換前のCeleronと交換後のCore i5との性能差を比較してみました。
スレッド数が倍になり、Core i5の4スレッドがしっかり認識されておりマルチスレッドを利用した作業、アプリの高速化が見込めます。
スレッド数だけでなくCPUの周波数も上がったことによりさらにWindowsの動作が高速化が期待できます。交換前に感じた全体的な動作のモッサリ感、OSの起動、終了時の遅さが解消されストレス無くサクサク動いてくれるようになり別のPCのような触り心地です。
交換前 Celeron
交換後 Core i5
納品時にお客様に動作確認していただいたところ『同じパソコンとは思えない!買い替えを検討していたが元のデータを保ったまま高性能化できて嬉しい!』と大変お喜びでした。
PCの動作が遅い!高速化したい!とお困りの方は、ぜひお気軽にパソコンドック24薩摩川内店にご相談ください!
PC修理 「正常に起動しない」の症状は?(修理に関する参考費用はこちら)
PC修理 「動作が遅い・固まる」の症状は?(修理に関する参考費用はこちら)
全国店舗一覧
更新:
公開: