HP ProBook 450 G5 ランプ点灯せず電源が入らない

名古屋・庄内緑地公園店の修理事例

名古屋市西区よりお越しのお客様からのご相談です。
「1週間ほど電源を入れたままだったが、電源ボタンを押してもランプが点灯せず、全く電源が入らない」という症状で、店頭で確認してみても全く同じです。
最悪の場合データだけでも救出したいとのことですので、お預かりして診断を行います。

最近、電源が入らないというご相談が増えてきています。
マザーボード（メイン基板）やメモリーなどが原因であることも多いですが、「NEC PC-LS350SSR-KS 電源が入らない→放電で回復」でもあったように、放電をすることで回復するものもあります。
まずは分解を行い、SSDやHDDの確認を行っていきます。

分解：バッテリー取り外し

このノートパソコンは外部からバッテリーが容易に取り外せるタイプではありません。

まず裏面の蓋をネジを取って取り外します。

更にもう一つの蓋を取り外します。

この時点でSSDやHDDを取り外すことが可能ですが、バッテリーが見当たりません。
CMOSバッテリーも見えますが、裏面からは取り外せない構造になっています。
このまま外してしまうとショートしてしまう可能性があるので、まずバッテリーを外す必要があります。
トルクスネジとプラスネジのドライバーを使い分けながら、SSDとHDD以外のネジを取ります。

パソコンを開き、キーボードを取り外します。

キーボード下にあるネジとフラットケーブルを外すと、上側のパネルを取り外すことができます。

バッテリーが見えました。
SDカードリーダーのケーブルと基板のネジを外して、バッテリーのネジも取り外します。

ようやくバッテリーを取ることができました。
まずSSDとHDDを外して状態のチェックを行います。

SSD・HDDステータス：正常

両方をチェックツールにかけましたが異常はなし。

しかしBitlockerがかかっており、Microsoft アカウント上で手に入るパスワードがない限りはデータを吸い出すことができません。

電源投入

バッテリーを外した状態で、一度試しに電源を入れてみるとランプが点灯し画面にもロゴのマークが表示されました。
バッテリーを戻してみても問題がなかったため、放電により内部情報がリセットされて電源が入るようになったようです。
何度か試しても電源は入る状態でしたので、そのままメモリーのチェックテストを行います。
こちらも異常は見つかりませんでした。

Windows起動

SSDとHDDを装着し電源を投入すると、問題なくWindows起動まで進みました。
高速スタートアップが有効になったままだと色々な問題が起こる可能性があるため、前回の放電で回復したパソコンと同様に今回も高速スタートアップを解除します。

清掃・返却

内部を清掃して元通りに組み戻し、外部の清掃も行います。

今回はBitlockerがかかっていたものの無事電源が入るようになったので、返却する際にまずデータのバックアップを取っていただくようお願いしました。
更にBitlockerがかかったままだと今回のようにデータの救出ができないので、Bitlockerの解除もしていただくようお願いしております。
自分で意図的にかけた上でパスワードもわかっているのならいいのですが、Windowsやメーカーの仕様によっては知らないうちにBitlockerがかけられていることもあります。
お使いのパソコンもBitlockerが知らないうちにかかっていないか、一度確認してみてください。