名古屋市中村区からお越しのお客様より、「少量のお茶をキーボード上にこぼしてしまった」とご相談いただきました。
すぐに電源を切りキッチンペーパーを挟んで裏向きにしておいたそうです。
HP Pavilion 15-eg0524TU(45W37AV) お茶による水濡れ
購入後1年経っていない新しい機種です。
お持ち込みいただいた前日にお茶を少量かけてしまったそうです。
飲料などがかかってしまった場合の対処方法
- 電源が入っている場合はすぐにシャットダウンする
- バッテリーを外せるタイプであればすぐに外す(ACアダプター・充電器も同様)
- 可能な限り水分を拭き取り、できるだけ早くパソコン修理業者に相談する
水濡れや水没はとにかく時間が勝負です。
水量に関わらず、電源が入るからと使い続けていると基板がショートして焼けてしまうこともあります。
感電や発火の危険性もありますので、とにかく早くご相談ください。
分解:SSD
まずはデータが大切ということでしたので、SSDを取り外します。
裏面上下にあるゴム足を剥がします。
ゴム足の下にある4個の黒いネジと、下部にある2個の銀色ネジを外しパネルを取り外します。
裏側に水分は到達していないようで、一安心です。
バッテリー固定用のネジを5個外してコネクターから抜いたあと、SSDのネジを外して抜き取ります。
SSDステータス:正常・BitLocker保護あり
SSDは正常でしたが、BitLocker暗号化がかかっておりお客様も回復キーを所持していない状態でした。
海外メーカーや、国内メーカーでも富士通によくある話ですが、購入時からBitLockerがかかっていて回復キーの入手を行うか暗号化解除を行わないと外からのデータ復旧が不可能になっていしまいます。
つまり今の段階ではデータの救出を行えず、パソコンの電源が入りWindowsの起動まで確認できる必要があります。
参考記事:BitLockerとは【BitLockerの要件と自動有効化の問題点】
分解:マザーボード
メモリーを2枚とも抜き取り、フラットケーブルを全て抜きます。
更にスピーカーとWi-Fiカードを外したらヒンジ部のネジを取り、液晶画面とキーボード側を切り離します。
マザーボードを留めているネジとファン、指紋認証板のケーブル固定マウンターを外します。
裏返してルーペで細かく確認しましたが、金属板とシートのおかげでマザーボードに飲料は到達していないようです。
少量だったこと、お客様の対処が的確だったことが幸いしたようです。
キーボードパネル洗浄
黒いシートを剥がし、念のためキーボードの型番を確認しておきます。
この時点でも飲料痕は見当たりません。
リベットを剥がしてしまうと元に戻すことが難しくなるため、まずはこのまま洗浄液で洗っていきます。
その後、十分に乾かします。
起動確認
乾燥後、逆の手順で組み戻し起動確認を行います。
無事電源が入りメーカーロゴが表示されました。
そのままメモリーのチェックテストを行い、メモリーやスロットに異常がないことを確認します。
キーボード入力確認
SSDを差して起動するとWindowsの起動も確認できました。
メモ帳で全てのキー入力を行い、反応を見ていきます。
キーボードランプを点灯させるファンクションキーを押すとキーボードが明るくなりましたが、飲料がかかったであろう辺りだけ他の部分よりも輝度が高くなりました。
見た目だけの問題で使用には影響しません。
BitLocker解除・期限切れMcAfeeアンインストール
お客様と相談し、中途半端な状態のBitLockerの解除と期限が切れていたMcAfeeのアンインストールを行うことになりました。
体験版終了や契約更新を行わなかった期限切れのウイルス対策ソフトウェアは、そのままにしておくと害しかありません。
アンインストールしてWindows Defenderを有効にします。
BitLocker解除も行ったので、暗号化で外部からのデータ救出ができないということはなくなりました。
外部清掃・返却
外部を綺麗に清掃し、各種機能の確認を行って返却です。
今回はかかった飲料がお茶かつ少量であること・お客様の処置が速かったことが幸いし、キーボード交換などは行わずに済みました。
コーヒーや紅茶などの特にミルクが入ったものだと内部で固まる可能性が高いため、こうはいかなかったかもしれません。
水分は機械にとって天敵ですのでまずはかからないことが1番ですが、かかってしまった場合も適切な処置を行うことが大事です。
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