こんにちは。パソコンドック24 新宿店 です。
今回は東京都渋谷区より電源が入らなくなったDynabook AZ65/KGの持込みがありました。
大事なデータがあるのに、BitLockerがかかっていて回復キーも判らない。そんな事例です。
お話を伺うとキーボードからコーヒーををかけてしまったそうです。
それ以来電源が入らなくなってしまったとの事でした。
パソコンも修理出来れば良いが、何よりも中に残ったデータが大事だそうです。
最悪パソコン修理が出来なくてもデータ取り出しをしてほしいとのご依頼です。
水没PCは水没診断を行う事から始まります。診断の中でマザーボードに液体の付着が見つかったら洗浄も行います。状態によっては洗浄だけで改善することもあります。さて、今回はどうでしょうか。
全分解してマザーボードを取り外します。全体を隅々までチェックしたところ基板の端の方に水濡れの痕が見つかりました。
しかしほんの僅かでさほど大きな影響は無さそうに見えます。
洗浄を行い、組み立てをして電源を入れてみましたが全く反応しません。今回のケースは洗浄で改善すると思ったのですが・・・・・・。
基板修理が必要になりますが、データが大事との事ですのでとりあえずデータの確保をしましょう。
お客様のPCはSSDとHDDが搭載されています。
SSDがCドライブ、HDDがDドライブという事でしょう。
SSD、HDDにエラーが出ていないか、正常に認識できるかチェックします。
HDDは正常で中身も読み込みが出来そうです。
しかしながらSSDを繋げてみると、何とBitLocker(暗号化)がかかっていて中が覗けません。
BitLockerは48桁の回復キーがあればアクセスできるようになります。
マイクロソフトアカウントに登録されている可能性があるのですが、マイクロソフトアカウント自体が不明という事で詰んでしまいました。
こうなったら基板を直すしかなさそうです。
基板上の電圧が出ているかチェックを行ったところ、ACアダプターから入力した電圧が最初の方ですでに出なくなっていました。見た目で壊れていそうなICやチップ部品は見つかりません。
闇雲に交換するにはパーツ数が多過ぎます。根気よく信号を追っていきます。
ありました!!
パーツのある場所ではありませんでした。
スルーホールといって基板の表から基板の裏に配線を通す穴です。穴の中にも銅線が通っていてショートした影響で焼けてしまったようです。
こんな事もあるのですね。
穴の中に銅線を通す事は出来ないので、同じ信号が伝わっている別の場所を探します。
探したらその場所に繋がる銅線を作成します。ジャンパー線って呼ばれたりします。
出ていなかった場所に電圧が出るようになりました。
組み上げて電源を入れてみましょう。
無事に電源が入り正常に起動しました。
データも無事です。
今回はデータも無事でしたが、マザーボードが修理出来てもBitLocker回復キーを求められてしまう事があります。それでもマザーボードを直すしかありません。
お困りの方はぜひパソコンドック24へご依頼ください。
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