こんにちは。パソコンドック24 高松店 です。
今回はヒューレットパッカードのノートパソコン ENVY X360 Convertibleをお預かりしました。
ご利用中に、最初は電源が入ったまま、操作に反応しなくなったそうです。
その後、BIOSのアクセスエラーを示すエラーランプが点灯していたそうですが、最終的にランプの点灯もしなくなり、電源ボタンを押してもACアダプタを接続しても何も反応しなくなったそうです。
お預かりした時の状況
店頭にお持ちいただいた際は、お客様のご申告通り、ACアダプタを接続しても通電を示すランプが点灯せず、電源ボタンを押しても何も反応しない状態でした。
詳細診断・分解
分解してバッテリーのコネクタを外し、ストレージを取り外した状態でACアダプタを接続してみました。
接続した途端に基板からウィーンという感じの異音が聞こえたため、ACアダプタを抜きました。
再度バッテリーを接続した状態でACアダプタを接続すると、基板からの音は発生しません。
バッテリー以外のパーツや基板全体に異常が生じている様子です。
取り外せるパーツ類を全て取り外し、基板自体も筐体から取り外しました。
各パーツの目視確認と共に、放電作業を行いました。
ノートパソコンの特性上、機械的な故障が無くても帯電と呼ばれるパソコンの内部に電気がたまってしまう事象により、正常に動作しなくなる場合が有るからです。
帯電の状態になってしまうと急にシャットダウンしてしまったり、起動できなくなってしまいます。
チップセットやコンデンサなどに外観上の異常が見られなかったため、最小構成にてACアダプタを接続し電源ボタンを操作したところ、液晶パネルにブルースクリーンが表示され、「BIOS設定がリセットされた!」とエラーメッセージが表示されました。
再組立て・通電確認
最小構成で動作したため、バッテリーとストレージ以外の全てのパーツを組付け、通電を確認しました。
分解と放電作業によって帯電が解消され、BIOSの起動が確認できたため、CPUグリスの再塗付、バッテリーとストレージの取り付けを行いました。
修理完了・動作確認
再組立てを完了し、ACアダプタを接続すると、充電状態を示す通電ランプが点灯しました。
電源ボタンを押下すると、起動を示すランプが点灯しBIOS設定がリセットされた影響から画面表示まで少し時間はかかりましたが、無事起動する事が確認できました。
2回目以降の起動はスムーズに起動し、動作確認を行って、正常に動作することを確認いたしました。
帯電が起こる原因は、メーカーサイトなどによると、「長時間のパソコンの使用が原因」などと記載されていますが、それほど長時間の利用でなくても発生する場合が有ります。
また、帯電の対処法として、「パソコンを終了させて、シャットダウンし、電源ケーブルや周辺機器のケーブルすべてを抜き、10分ほど放置すれば、帯電は解消されます。」といった記載も見られます。
帯電の他、シャットダウンや再起動を行わない事で、OSのアップデートができなかったり、メモリに不要なファイルやデータが増えて不安定になる場合も有ります。
長時間ご利用になられない場合は、シャットダウンをして電源を完全に切っていただいた方が、安定してご利用頂けると思います。
故障でなくても、お使い方に不安が有ったり迷ったりされた時には、お問い合わせだけでも大丈夫です。
お気軽にパソコンドック24高松店にご相談ください。
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