こんにちは。パソコンドック24 本町店 です。
大阪府吹田市のお客様より、白くて光る自作ゲーミングパソコンの組み立ての依頼があり、
これまでのブログで白くて光る自作ゲーミングパソコンのパーツ選定から組み立て、OSインストールと設定をご紹介してきました。
<白くて光る自作ゲーミングパソコンの組み立て①(パーツ選定と動作確認編)>
<白くて光る自作ゲーミングパソコンの組み立て②(組み立て編)>
<白くて光る自作ゲーミングパソコンの組み立て③(OSインストールと設定編)>
今回はこのパソコンで画像生成AI「Stable Diffusion」を使えるように環境を構築していきます。
画像生成AIサービスはいくつかありますが、無料(課金要素なし)で使えて、制限の少ないものということで、画像生成AI「Stable Diffusion」をローカル環境にインストールするという方法を選択しました。
画像生成AI「Stable Diffusion」のローカル環境を構築する上でのパソコンの推奨スペックは以下の通りです。
・OS:Windows10以降(64bit)
・グラフィックボード:NVIDIA製 VRAM12GB以上
・メモリ:32GB以上
今回、白くて光る自作ゲーミングパソコンを作成するにあたり、使用目的に「画像生成AI」があったので、パーツ選定の段階で推奨スペックはクリアしています。
今回、画像生成AI「Stable Diffusion」をインストールするパソコンのスペックは以下の通りです。
OS:Microsoft Windows11 Home(64bit)
グラボ:玄人志向 GALAKURO GK-RTX3060-E12GB/OC/WHITE [PCIExp 12GB]
メモリ: DDR4 PC4-25600 8GB×4(32GB)
それでは、画像生成AI「Stable Diffusion」をWindowsローカル環境で動作させるために「Stable Diffusion Web UI」をインストールします。「Stable Diffusion web UI」は、「Stable Diffusion」をブラウザ上で簡単に使用できるソフトです。
「Stable Diffusion Web UI」をWindows上で動かす場合は、以下のソフトウェアをインストールする必要があります。
・Git
・Python 3.10.6
「GitHub」のページhttps://gitforwindows.org/より「Git」というツールをダウンロードしてインストールします。
「Open Git Bash here」にチェックが入っていることを確認して次に進めます。
インストールが完了しました。
Pythonをインストールします。
「Python」のページhttps://www.python.org/downloads/release/python-3106/よりWindows installer (64-bit)をダウンロードしてインストールします。
Pythonのインストーラ画面で「Add Python 3.10 to PATH」というチェックボタンがあるのでチェックします。
違うバージョンをインストールすると実行時にエラーが出るので注意が必要です。
インストールが完了後「Disable path length limit」を選択します。
以上でPythonのセットアップが完了です。
画像生成AI「Stable Diffusion」でローカル環境を構築するには多くのディスク容量が必要になります。
後々大量の画像生成をする予定があるならば容量に余裕のあるディスク領域に「Stable Diffusion」をインストールしておいたほうが良いでしょう。今回はデータ保存用のEドライブに多くの空き領域があるので、そちらにインストールします。
エクスプローラで「Stable Diffusion Web UI」をインストールするE:ドライブを表示します。
次に、アドレスバーにcmdと入力してEnterを押します。
するとE:ドライブが選択された状態でコマンドプロンプトが開きます。
「Stable Diffusion Web UI」のインストールに必要なファイルをコピーするコマンドを入力します。
git clone https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui.git
と入力して実行します。
これでE:ドライブに「stable-diffusion-webui」 フォルダが自動的に作成されて必要ファイルが展開されます。
フォルダ内の「webui-user.bat」ファイルを実行します。
コマンドプロンプトが起動し、Stable Diffusion本体など必要なファイルがダウンロードされます。
時間がかかるので、終わるまで待ちます。
画像生成時間を早くするために「xformers」をインストールします。
xformersは、画像生成のプロセスを最適化することで、画像生成速度を大幅に向上させながら、VRAMの消費を抑えられる機能です。
コマンドプロンプトを起動し、「pip install xformers」と入力して実行します。
次に、「xformers」を有効にするために「webui-user.bat」の内容を編集します。
「set COMMANDLINE_ARGS=」の後ろに以下のように追記して保存します。
「webui-user.bat」を実行し、「stable-diffusion-webui」を起動します。
動作確認のため、「Prompt」にキーワード「1girl」と入力して「Generate」ボタンをクリックします。
すぐに1枚の画像が生成されました。
クオリティの低い画像が生成されました。
これは画像生成のためのモデルが初期設定のままなのが原因です。画像のクオリティを上げるためには、Stable Diffusionのモデルをダウンロードして設定する必要があります。
Stable Diffusionのモデルとは、AIが学習した画像生成のためのモデルで、高品質な画像を簡単に生成することができます。
Stable Diffusionのweb uiでは指定フォルダにモデルデータを設置するだけで、使用するモデルデータをGUI上で簡単に切り替えることができます。
Stable Diffusion WebUIのモデルは以下のサイトからダウンロードできます。
・Civitai https://civitai.com/
・Hugging Face https://huggingface.co/
リアル・写真系が得意なモデル、アニメ・イラスト風が得意なモデルなど、モデルによって特徴があります。
モデルをダウンロードして決められたフォルダに入れておけば、モデルを選択できるようになります。
あとは、「Prompt」に生成したい画像のキーワードを入力、
「Negative Prompt」に生成したくないNGキーワードを入力、
「Generate」ボタンを押すと画像が生成されます。
今回は「神秘的な星空」、「魔法少女」、「満月」「お花畑」というキーワードで画像を生成してみました。
キーワードは英語で入力します。
最初に生成した画像と違い、ハイクオリティな画像が生成されました。
以上で画像生成AI「Stable Diffusion」をローカルで動かす環境を作り、動作の確認ができました。
尚、今回ご紹介した内容は2023年10月現在のものです。「Stable Diffusion」とその拡張機能は日々更新されています。今後、インストール方法、操作方法が変更される可能性がありますので、インストールを試す場合はご自身で最新の情報をご確認ください。
自作パソコンの組み立て、画像生成AI「Stable Diffusion」の設定はパソコンドック24本町店に相談して下さい。
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