小牧市からお越しのお客様より、「PINコードを使わない設定にしようとしたらログインできなくなった」とご相談いただきました。
心当たりのあるパスワードを入力しても、「パスワードが正しくありません」と表示されます。
NEC LAVIE Smart N15 PC-SN287BDDS ローカルアカウント切り替え後ログインできない
購入して1年経っていないWindows11搭載ノートパソコンです。
購入後の初期セットアップはご家族の方が行われたそうですが、今まで使ったことのないPINコードでセットアップされていたそうです。
ご自分でローカルアカウントへ切り替えたと思われる作業をされたあと、ログインができなくなってしまいました。
まだメーカー保証期間内ということで、なるべく分解を行わずに修理診断を行います。
SSDステータス:正常
外部起動にて内蔵SSDの状態を確認します。
使用時間は当然短く、問題は見つかりませんでした。
一時プロファイルログイン
データは不要とのことですが環境保護ソフトを外部起動し、念のため内部環境を保全します。
BitLocker暗号化がかかっていましたが、MicrosoftアカウントにログインできたためBitLocker回復キーで暗号化解除を行い内部データの確認を行います。
すると、ユーザープロファイルに仮で作られたようなアカウントがあり「一時プロファイル」になっていると判断しました。
ローカルアカウント切り替え時になんらかの不具合があり失敗してしまったようで、パスワードを入力してもログインできない状態になっていたようです。
一時プロファイル参考記事
【デスクトップのデータが見えない】NEC LS700/TSB
Windows11アップデート後【C:¥にアクセスできません】Lenovo S130-11IGM
暗号化されていることもあり、こうなると初期化するしかありません。
お客様にご了解をいただいた上でリカバリーを進めます。
初期状態に戻す
電源投入後F2キーを押し、BIOSセットアップ画面に入ります。
矢印キーで「Exit」まで進み、「HDD Recovery」を選択します。
「トラブルシューティング」を選択します。
トラブルシューティングツール内の「NECリカバリーツール」を選びます。
しかし、BitLocker回復キーを求める画面になり、回復キーを入力しても進みません。
そのため、まずは「初期状態に戻す」で起動できる状態へ戻すことにしました。
NVMe SSDですのであまり時間はかかりません。
リカバリーメディアからリカバリー
「初期状態に戻す」は「Cドライブのみリカバリー」のような状態です。
「再セットアップメディア作成ツール」でUSBメモリーにリカバリーメディアを作成し、再度全体リカバリーを行います。
Microsoft アカウントでのセットアップは行わず、ローカルアカウントで設定します。
参考記事:【Windows11 22H2】ローカルアカウントでセットアップ
BitLocker解除
BitLocker(デバイスの暗号化)はOSに不具合が発生すると回復キーを求められ、Windowsを起動できなくなることがあります。
Windows10以降自動的に暗号化されているものが多いです。
やはり自動暗号化されていました。
参考記事:BitLockerとは【BitLockerの要件と自動有効化の問題点】
BitLockerがかかっていることも、回復キーがあることも、更にその保存場所もわからない方が多いです。
トラブル解消のために解除しておきます。
Windows11アップグレード
工場出荷時はWindows11のバージョンが「21H2」でした。
インストールメディアにて現時点で最新の「22H2」バージョンへ更新します。
その後、リフレッシュパックを進めて使用しやすいよう調整を行います。
清掃・返却
不要ソフトウェアのアンインストールやMS Officeのライセンス認証を行い、清掃をして返却です。
PINコードの変更やBitLocker回復キーにはMicrosoft アカウントが必要な場合が多いので、メールアドレスやパスワードなどのアカウント情報をメモなどでしっかり保存しておきましょう。
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